2019年06月20日

「スイートトラップ」水城夕

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会社の休憩室で付き合って1年になる彼から別れを告げられた真梨乃。
その様子を見て冷笑したのは新入社員の相馬陸です。
その夜同僚の早希子とヤケ酒を飲み帰宅した真梨乃はまだ飲み足りず、自宅でも飲み続けて酔っぱらって部屋を出ると隣の部屋の健二とばったり。
健二は真梨乃の中学時代の後輩です。
健二の部屋になだれ込んだ真梨乃は一夜を過ごしてセックスしてしまうのですが、翌朝起きてみるとそれは健二ではなくなぜか相馬陸で・・・・。
もうなんといいますか、ムチャクチャな小説です。(笑)
弟と暮らしている部屋の隣には中学時代の後輩、反対側の隣には同じ会社の相馬陸。
今まで隣に陸が住んでいたことに気づかなかったというのは100歩譲っても、いくら酔っぱらっていたとはいえ健二と間違えてセックスするか。
健二だとわかっていても普通しないでしょ。
そのあとは陸に誘われるままに会社でもしてるし。
ただのヤリマン女です。
設定もなぁ。
皆のいる会社の休憩室で別れを告げる彼氏というのもどうかと思いますし、同じ会社でありながらその彼氏は二度と出てきません。
まあいいですけど。
住んでいるマンションの部屋の両隣に中学の後輩と同じ会社の新入社員というシチュエーションもなんともいやはやですし、真梨乃が勤める大手商社に徒歩で通えるというくらいですからかなり都会にあるマンションですね。
相当いい暮らしです。
健二は真梨乃の中学時代の後輩のはずなのですが、なぜか真梨乃の高校時代、同級生の中に健二に思いを寄せる女の子がいたとか。
わけわからん。
文章もなぁ。
「嘆息」という言葉が何十回出てくることか。
なにかあれば主人公は嘆息します。(笑)
ストーリーに至ってはラストの展開に椅子からずり落ちそうになりました。
恋愛小説がいきなりミステリーに変貌し、しかもとんでもない衝撃の真実。
なんですかこのバカミスっぷりは。
唖然としました。
書くほうも書くほうですが、これを通した編集者も相当なものです。
以前に読んだ作品もたいがいでしたが、これはさらに磨きがかかっています。(笑)
恐れ入りました。
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2019年06月18日

「シェフの哲学 食の探求から 三つ星レストランの運営まで」ギィ・マルタン

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ギィ・マルタン。
パリの三つ星レストラン「グラン・ヴェフール」の料理長です。
日本でもミシュランの星がどうこう言われていますけども、フランス版の星とは格が違います。
プロ野球と草野球ほどの違いがあると私は思っていますけどね。
なのでパリで三つ星ともなるとそれはもう相当なものです。
そんな三つ星シェフが語る料理、店の経営、舞台裏。
それはいったいどのようなものなのか・・・・。
料理人が書いた本というのは何冊もありますけども、だいたいパターンが決まっているんですよね。
少年時代、料理との出会い、海外での修行、いよいよ独立、とか。
この本もまたそれらに当てはまりはしますが、もっと料理や経営についてシビアに専門的に語られています。
むしろこれはプロの料理人向けかもしれません。
レシピもびっしり掲載されていますが、ちょっと家庭で再現するのはしんどいですね。
文章はいかにも翻訳調でもうちょっとどうにかならないかとも思いますが、文学ではなく料理の専門書と考えればこれでいいのかもしれません。
ラベル:グルメ本
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2019年06月16日

「友情」武者小路実篤

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野島はいまいちぱっとしない脚本家。
友人仲田の妹である杉子を熱愛します。
そのことを親友のそこそこ売れてきた作家である大宮に相談するのですが、大宮は親身になって野島を応援してくれます。
杉子の自分に対する言動に一喜一憂する野島。
しかし杉子は自分ではなく大宮に惹かれているようなのです。
いてもたってもいられない野島は杉子に愛を告白するのですが・・・・。
この作家の作品は初めて読みました。
武者小路実篤といえばかぼちゃの色紙の人という程度の認識しかなかったわけですが。(笑)
もっと辛気臭く堅苦しい話かなと思っていたのですが、意外と軽くて読みやすかったですね。
内容も実にストレート。
自分が好きになった女性が自分ではなく親友のことが好きだったと。
こういうことは現代の現実にもあることでしょう。
野島は苦悩悶絶します。
そりゃまあそうでしょうね。
しかしさすがにこの時代であり、なによりもタイトルが「友情」というくらいですから、野島は真正面からこれを受け止めるのですね。
杉子や大宮をどうこうしてやろうなどと考えたりはしません。
現代のミステリーならこれを動機になにかやらかしそうですけどね。(笑)
野島は泣きます。
そしてこのことをバネにして強くなるぞと。
うん、真っ当で純粋じゃないですか。
読み終えまして、心が洗われ・・・・た・・・・かな。
ラベル:小説
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2019年06月14日

「それでも酔ってません 酒呑みおじさんは今日も行く」大竹聡

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シリーズ第3弾です。
「ぜんぜん酔ってません」「まだまだ酔ってません」ときて「それでも酔ってません」と。
まさしく酔っぱらいの三段活用ですね。(笑)
ま、内容としましては前2作と同様、懲りもせず毎日酔っぱらっている酒飲みのエピソードです。
酔っている人ほど自分は酔っていないと主張する酔っぱらい。
他人に迷惑さえかけなければ微笑ましい・・・・ことはないか。(笑)
ラベル:グルメ本
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2019年06月11日

「それマジ!? 話のネタに困ったとき読む本」綱島理友

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一種の雑学本になるんでしょうけど、ちょっと違うのはそういう類の豆知識本というのではなく、著者が疑問に思ったことを実際に取材して検証しておられるということです。
こういうことを疑問に思ったのでメーカーの○○の広報室を訪問して部長の××さんにお話を伺ったと。
そういう過程が書かれているわけです。
もちろん他の雑学本も取材しての結果なんでしょうけど、こうなんだというソースがなく根拠もわからないままの断定だったりするんですよね。
昔ながらの俗説をそのまま記載している本も多いです。
この本では明確に根拠を示しておられます。
突撃レポート的な面白さもあるということです。
例えばこれは有名な話だと思うのですが、味の素容器の穴の話。
どうしたら売り上げが伸びるかという会議で、穴を大きくすればいいんじゃないかとOLが提案。
その結果見事に売り上げが倍増したと。
なるほど、味の素をふりかける回数なんてだいたい皆決まっています。
わずかに穴を大きくすればいつもの回数でより多く消費することになる。
これって当たり前のようですごい発想ですよね。
そのOLは社長から功績を表彰されたそうです。
さて、この話は本当なのかどうなのか。
著者は実際に味の素本社に出向き、広報室に取材するわけです。
他にはガソリンが北海道や沖縄という地方、季節によっても中身が違うとか。
著者は出光興産の広報室に話を伺います。
緊急時の保存食として重宝されているカンパンには陸軍式と海軍式があるとか。
一般的に出回っているのはどうやら陸軍式のようで、海軍式は4センチ×7センチの大きさで、昔ながらの製法で作られておりかなり硬いとか。
私は見たことがないですね。
これも発売元の三立製菓に話を伺っておられます。
その他、テレビショッピングの通販商品はなぜどんどん値段据え置きでおまけが増えていくのかなど、誰もが疑問に思いつつもわざわざ調査などしない疑問についてのコラムが満載。
お見事です。
ラベル:エッセイ
posted by たろちゃん at 17:02| Comment(0) | 『つ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする