2019年07月30日

7月の一冊

今月は15冊読むことができました。

・「コンビニ人間」村田沙耶香
・「食べもの屋の昭和 伝えたい味と記憶」岩崎信也
・「黒白 剣客商売 番外編(上・下) 」池波正太郎
・「弱法師」中山可穂
・「グレイシー一族に柔術を教えた男 不敗の格闘王 前田光世伝」神山典士
・「ムボガ」原宏一
・「1行バカ売れ」川上徹也
・「石膏の家」青柳友子
・「優しいサヨクのための嬉遊曲」島田雅彦
・「天才シェフの絶対温度 「HAJIME」米田肇の物語」石川拓治
・「グッドバイ・ママ」柳美里
・「神様の贈り物」木内一裕
・「新装版 隣のサイコさん 「いっちゃってる」人びとの真実」別冊宝島編集部 編
・「四文屋 並木拍子郎種取帳」松井今朝子

「コンビニ人間」、現代を象徴するかのようなコンビニというモチーフ。
登場人物や人間関係もそれにふさわしい。
「食べもの屋の昭和 伝えたい味と記憶」、昭和という現代の中年以上にとってはノスタルジックな時代。
その中でも昭和初期を知る人はほとんどいないでしょう。
「黒白 剣客商売 番外編(上・下) 」、シリーズの番外編です。
分厚い上下巻で読み応えありました。
「弱法師」、う~ん、中山さんのこの熱さ激しさにはいつもうなってしまいます。
この作品も実に濃密でした。
「グレイシー一族に柔術を教えた男 不敗の格闘王 前田光世伝」、柔道を世界に伝えた偉人のノンフィクション。
知名度は一般的ではないでしょうけど。
「ムボガ」、中年オヤジのロックバンドが海外でスーパースターになるも日本では鳴かず飛ばず。
夢と希望と現実と、というお話です。
「1行バカ売れ」、いまやどんな商品を宣伝するにも欠かせないキャッチコピー。
どのようなコピーが客の購買意欲を駆り立てるのか。
「石膏の家」、どうしても古臭さを感じてしまいましたね。
ミステリーでない作品のほうが私には魅力がありました。
「優しいサヨクのための嬉遊曲」、もういまこの時代に左翼がどうこうもないわけですが。
この作品発表時にはまだサヨクもトレンドに引っかかっていたのか。
「天才シェフの絶対温度 「HAJIME」米田肇の物語」、最速でミシュラン三ツ星を獲得した料理人のノンフィクション。
他の料理人の経歴やエピソードを紹介した本と違い、米田肇という個性が上手く描けていたと思います。
「グッドバイ・ママ」、子育てや周りとのコミュニケーション、健康問題などなにかとストレスのある現代。
そんな世の中の犠牲者ともいえますが、でもこれがもしかしたらまともな感受性なのかなと思ったり。
「神様の贈り物」、感情を持たなかった殺し屋が感情を手に入れたとき。
それはやはり神様に感謝するべきなんでしょうか。
「新装版 隣のサイコさん 「いっちゃってる」人びとの真実」、頭のおかしい人というのはほんとに多いですね。
電車に乗ってみればまあ確実に存在しますね。
「四文屋 並木拍子郎種取帳」、シリーズ4冊目。
そろそろ新たな展開に向かうべきでしょうか。

今月はどれもそこそこな印象でした。
その中からの一冊は、「コンビニ人間」、「弱法師」、「神様の贈り物」が候補ですね。
中でもやはり中山可穂さんの熱さには打たれました。
今月の一冊はこれで。

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posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 今月の一冊 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月28日

「四文屋 並木拍子郎種取帳」松井今朝子

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シリーズ第4弾。
5編を収録です。
千鳥橋の西詰にある屋台の天ぷら屋に立ち寄った拍子郎。
後日その屋台の主人が殺されます。
以前にその屋台の天ぷらが原因で食あたりをおこし、息子を亡くしてしまった男が容疑者として浮かびます。
それと同時に小間物問屋が百両を盗まれるという事件があり、拍子郎の推理によりそれらの事件が結びついていきます・・・・。(四文屋)
タイトルの「四文屋」というのは四文均一で食べ物や商品を商う屋台とのこと。
今でいうファストフードや100円ショップみたいな感じなんでしょうね。
さてシリーズも4作目となりまして、気になるのが拍子郎の今後の身の振り方です。
現在は狂言作者並木五瓶の弟子ですが、元々は武士。
同心をやっている兄からは家督を継ぐようにいわれています。
しかしそのような生活は自分の性に合わない。
料理茶屋の娘おあさと一緒になる決心もない。
今後どのようになっていくのでしょうか。
このシリーズは数年に一冊のペースで刊行されていますが、本作が出たのは2012年。
もう7年にもなりますね。
ちょっとあいだが長い。
そろそろ次作が出てもよさそうですが。
ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 03:01| Comment(0) | 『ま』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月26日

「新装版 隣のサイコさん 「いっちゃってる」人びとの真実」別冊宝島編集部 編

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世の中いろんな危ない人がいます。
サブタイトルにもあるように「いっちゃってる人びと」ですね。
他人に迷惑をかけなければまだいいのですが、やたらゴミを溜め込んで家をゴミ屋敷にしてしまう人や騒音おばさんなどになってくるとちょっと迷惑。
それ以上に質の悪いのが殺人などの犯罪をしでかすような人ですね。
最近も大きな放火事件があり30人以上の人が亡くなるという大惨事がありました。
この本で取り上げられているのは必ずしもそのような犯罪を犯すような人たちばかりではなく、凝りもせずにマルチ商法に乗せられ金持ちになることを夢見ているような人も紹介されています。
あるいは自殺願望のある人、宇宙戦争を指揮しているとかわけのわからんことをいう人など。
また精神病院の実態についての話などもあります。
posted by たろちゃん at 03:45| Comment(0) | 『へ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月24日

「神様の贈り物」木内一裕

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感情がなくすべてに無関心な殺し屋チャンス。
淡々と人殺しをやってのけます。
そんなチャンスの乗ったバスがバスジャックに遭います。
皆が手出しをできない中、チャンスはなんのためらいもなく犯人に近づき始末します。
一躍日本国中のヒーローとなったチャンス。
しかしあるトラブルから拳銃で頭を撃ち抜かれ奇跡的に命を取り留めるのですが、目覚めたチャンスの見る世界は今までとまったく違っていました。
何に関しても無関心だったチャンスに『心』が生まれたのです・・・・。
感情がなかった殺人マシーンに人間の心が宿ったら。
そんな設定です。
脳に障害があって感情を失くしてしまっていたチャンスですが、頭を撃たれたことによりそれを取り戻し、ごく当たり前の景色に感動したりします。
感情だけではなく過去の記憶もほとんどありませんでした。
まったく子供のように純粋な心の持ち主になったチャンス。
これからどのように生きていくのか。
自分はどこに向かえばいいのか。
生きて行ける場所はあるのか。
とりあえずは記憶にある実家の住所を訪ね両親に会おうとするのですが。
今後チャンスがどうなるのかは具体的に示されてはいません。
しかし明るくはないでしょう・・・・。
いつもながらこの作者の作品は読ませますねぇ。
1年に1作のペースで刊行しておられますが、構想も文章もじっくりと練っておられるのがよくわかります。
本作の後もまだまだ刊行しておられます。
ぜひ楽しみに読ませていただきたいと思います。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『き』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月22日

「グッドバイ・ママ」柳美里

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ゆみは幼稚園に通う男児の母親です。
夫は単身赴任中で息子との二人暮らし。
毎日せっせと息子を幼稚園に送り迎えしていますが、ゆみは幼稚園の経営方針に不満があり険悪状態。
そのせいか息子もうまく馴染んでいないようです。
住んでいる団地の自治会ともごみの出し方で揉め、福島原発の放射能漏れの影響が気になり、夫が浮気しているようだと疑心暗鬼になり・・・・。
なんだか周りはすべて敵といった感じで、ほぼノイローゼ状態ですね。
しかし視線はゆみという主人公なので、客観的ではありますが読んでいるこちらもゆみ目線になります。
そう考えるとたしかに世の中「そうだそうだ」と頷く部分もありますが。
実際ここまでではなくてもこのような言動をしている人は大勢います。
夫婦や親子といった家庭問題、育児、近隣とのコミュニケーション、健康問題、あらゆる問題がこの小説には詰まっています。
最後は・・・・ちょっと救いがないですね。
辛すぎます。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:10| Comment(0) | 『ゆ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする