2019年08月31日

8月の一冊

今月の読書は以下の15冊でした。

・「おとめの流儀。」小嶋陽太郎
・「夫のちんぽが入らない」こだま
・「日本の朝ごはん 食材紀行」向笠千恵子
・「ピカソ 巨匠の作品と生涯」岡村多佳夫
・「少女地獄」夢野久作
・「どこへ行っても美味珍味」渡辺文雄
・「芸人学生、知事になる」東国原英夫
・「観光」ラッタウット・ラープチャルーンサップ
・「牛への道」宮沢章夫
・「晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と」野村美月
・「この本、おもしろいよ!」岩波書店編集部 編
・「ひらいて」綿矢りさ
・「バルセロナの厨房から」高森敏明
・「東京都大学の人びと」谷俊彦
・「よしもと血風録 吉本興業社長・大崎洋物語」常松裕明

「おとめの流儀。」、なぎなたというマイナーな武道をモチーフにしたのがいいですね。
爽やかな感動がありました。
「夫のちんぽが入らない」、インパクトのあるタイトルだけの作品か。
そんなことはなく、きっちりと小説になっています。
「日本の朝ごはん 食材紀行」、乱れている日本の食生活。
それがてき面に表れる朝ごはんにこそ注意を払いたい。
「ピカソ 巨匠の作品と生涯」、誰もが知る有名画家ピカソ。
彼を知るわかりやすいテキストです。
「少女地獄」、私個人としましてはイマイチでしたね。
夢野久作ファンならどうぞといったところ。
「どこへ行っても美味珍味」、渡辺文雄といえば「くいしん坊!万才」。
ですが食べ物だけではなく、人との出会いをすごく大切にしておられるのが伝わってきます。
「芸人学生、知事になる」、お笑い芸人から県知事になった著者。
真摯な考えや行動に心を打たれました。
「観光」、作者はタイ人で舞台もすべてタイ。
こんな作家がいたんだと視界が広がり勉強になりました。
「牛への道」、このセンスは貴重ですね。
他の著作も読んでいきたい。
「晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と」、ひまりさんというほんわかしたキャラクターが実にいい。
それに憧れる主人公、当然でしょう。
「この本、おもしろいよ!」、中高生に向けた本の紹介。
もちろん大人にとってもガイドとなります。
「ひらいて」、ちょっといびつな青春小説でしょうか。
ひりひりした痛みが伝わります。
「バルセロナの厨房から」、著者はスペイン料理レストランオーナーシェフ。
スペイン料理の魅力を存分に伝えておられます。
「東京都大学の人びと」、大学を舞台にしたカンニングの攻防。
時代だな、と思います。
「よしもと血風録 吉本興業社長・大崎洋物語」、吉本興行現会長の半生です。
吉本の内幕を垣間見ることができます。

さてさて、今月の一冊は迷うところです。
そんな中から選ぶのは・・・・「夫のちんぽが入らない」でいきましょうか。
このような現実を取り上げ、意外とちゃんと小説になっていたということ。
タイトルの勝利もあると思いますけども。
ただこの作者、今後なにを書くのかとは思いますけどね。
ま、それは私の心配するところでなし、今月の一冊はこれでいきましょう。

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2019年08月29日

「よしもと血風録 吉本興業社長・大崎洋物語」常松裕明

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吉本興行の社長(当時)が綴る半生記です。
まだまだローカルな一企業だった吉本興行に入社し、わけもわからないままあれよこれよと仕事をさせられ、吉本とともに成長してきた著者(代筆)。
本人の半生記でありながら、吉本興行という会社の社史でもあります。
ミスター吉本といわれたあの木村政雄氏の部下として鍛えられたんですよね。
なんやかんやと走り回り、やがて二人の若者と出会います。
ダウンタウンです。
彼らとともに吉本の東京進出が始まります・・・・。
さすがといいますかなんといいますか、この本を読みますと吉本興行というのはなんともざっくばらんな会社だったんですねぇ。(笑)
やはり芸人を有してお笑いを興行する会社ですから、そりゃカチカチなサラリーマン会社ではなかったでしょうけど。
なのでなんやかんやと著者も好き勝手にやってこられた部分があります。
もちろん相当なご苦労があったのは言うまでもありませんが。
といってもこれはあくまで吉本の一社員である著者の視点からの物語です。
また別の視点ももちろんあるでしょう。
つい最近、吉本の芸人が反社会的な連中に闇営業したとして大きな話題となりまして、経営の在り方が問題視されました。
現会長である著者や社長に対して某芸人が責任を追及し、ダウンタウンの松本人志を批判するなんてこともありました。
経営を刷新しろと。
松本は大崎会長や岡本社長が辞めるなら自分も吉本を辞めるといいました。
それに対しての批判ももちろんあったわけですが、しかしこの本を読むとそりゃ松本の主張ももっともだなと思えます。
東京に進出し全国区となったダウンタウンにすれば、著者あっての自分たちです。
義理と人情を秤にかけりゃじゃありませんけど、ビジネスライクに経営陣(大崎会長、岡本社長)の退陣に賛成などできるわけがありません。
そのような苦労を知らない吉本が大きくなってから入ってきた某芸人の批判は結局空回りに終わりましたけどね。
もともとヤクザと芸能界なんて出自は一緒なんです。
かといっていつまでもそのような昔の体質を引きずっていていいわけはありませんが、しかし芸人の世界もサラリーマン化されてきたようですね。
こんなことでは昔のような破天荒な芸人や社員など出てこないでしょう。
それでいいのかもしれませんけど。
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2019年08月27日

「東京都大学の人びと」谷俊彦

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表題作はカンニングに情熱を燃やす大学生と、それを見破ることに生きがいを感じているような助教授の攻防。
さて、軍配はどちらに上がるのか。
学生は様々な罠を仕掛け、試験に挑みます・・・・。
タイトルは「とうきょうとだいがく」ではなく、「ひがしきょうとだいがく」と読みます。
別にどちらでもいいんですけどね。(笑)
カンニングのテクニック的なことだけでなく、助教授にいろんな罠を仕掛けるあたりが読ませどころでしょうか。
「駱駝市役所の人びと」はバカミスですね。
誰が犯人だとかどうやって殺しただとか、私にとっていちばんつまらない内容です。
勤務規定をずる賢く利用する設定は面白いのに、なんで殺人とか取り入れたんだか。
「木村家の人びと」は、ひたすら金を儲ける家族の話。
とにかくあらゆることを金儲けのタネにします。
「東京都大学の人びと」では大学、「駱駝市役所の人びと」は役所、「木村家の人びと」は民間企業が舞台となっていますが、それぞれの組織を思いっきり馬鹿にしているような主人公たちです。
それぞれの組織のルールを逆手に取り、自分の利益に結びつけて世渡りする人たち。
世の中の常識や良識を嘲笑したような作品集ですね。
ラベル:小説
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2019年08月25日

「バルセロナの厨房から」高森敏明

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著者は吉祥寺でスペイン料理のレストランを経営しておられます。
フランス料理やイタリア料理ほどメジャーではないスペイン料理。
「スペイン料理って、どういう料理ですか?」という質問をよく受けるという著者。
しかしこれは非常に難しい質問だといいます。
そりゃそうですよね。
たとえば日本料理ってどのような料理ですかと質問されて、和食の料理人でも一言で明快に答えられる人はなかなかいないでしょう。
というか、答えられるものでもないですよね。
まあスペイン料理と聞いて一般的にイメージするのは、まずパエリヤ(パエジャ)でしょうか。
あとはタパスとか。
日本でもスペインバルなんかがあちこちにでき始めてタパスなんて言葉も知られるようになってきました。
ガスパチョなんてのもスペイン料理ですね。
この本では様々なスペインの料理や素材が紹介されています。
いいですね、スペイン料理。
私はワインは毎日スペイン産を飲んでいますが、料理にはあまり縁がありません。
高級店の料理は肩ひじ張るので、ぜひ家庭料理を楽しんでみたいものです。
ラベル:グルメ本
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2019年08月23日

「ひらいて」綿矢りさ

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そこそこ成績もよくクラスでも目立つタイプの愛が好きになったのは、あまりカッコよくもない地味な男子です。
しかし彼には手紙をやりとりする女子がいました。
嫉妬する愛。
そんな愛が取った行動は、彼から彼女を奪い取ることでした・・・・。
何冊かこの作者の作品を読んでいますけども、嫉妬や底意地の悪さというものをけっこう感じます。
そんな自分に対しての苛立ちとか自虐願望とか。
話題になった「蹴りたい背中」なんかでも、主人公の女子がにな川という男子を見ていたら背中を蹴飛ばしたくなって実際蹴飛ばすんですよね。
自分に対するいら立ちを彼に被せてそのような行動を起こしたと私は読んだのですが。
「夢を与える」という作品も、子役のアイドルが芸能界という大人の世界に違和感を持ち自堕落的に人生をドロップアウトしていきますし。
本作でも主人公は彼の気を惹きたいがために彼女を傷つけ、結局はすべてそれが自分を傷つけているんですね。
成績も落ちていき、クラスでも浮いた存在になってしまいます。
折るという字は祈るという字に似ている、というフレーズが作中に出てくるのですが。
最後に愛が折った鶴をほどいていくシーンがあります。
愛は何を祈って鶴を折り、何を解放したのでしょうか。
ラベル:小説
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