2019年08月23日

「ひらいて」綿矢りさ

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そこそこ成績もよくクラスでも目立つタイプの愛が好きになったのは、あまりカッコよくもない地味な男子です。
しかし彼には手紙をやりとりする女子がいました。
嫉妬する愛。
そんな愛が取った行動は、彼から彼女を奪い取ることでした・・・・。
何冊かこの作者の作品を読んでいますけども、嫉妬や底意地の悪さというものをけっこう感じます。
そんな自分に対しての苛立ちとか自虐願望とか。
話題になった「蹴りたい背中」なんかでも、主人公の女子がにな川という男子を見ていたら背中を蹴飛ばしたくなって実際蹴飛ばすんですよね。
自分に対するいら立ちを彼に被せてそのような行動を起こしたと私は読んだのですが。
「夢を与える」という作品も、子役のアイドルが芸能界という大人の世界に違和感を持ち自堕落的に人生をドロップアウトしていきますし。
本作でも主人公は彼の気を惹きたいがために彼女を傷つけ、結局はすべてそれが自分を傷つけているんですね。
成績も落ちていき、クラスでも浮いた存在になってしまいます。
折るという字は祈るという字に似ている、というフレーズが作中に出てくるのですが。
最後に愛が折った鶴をほどいていくシーンがあります。
愛は何を祈って鶴を折り、何を解放したのでしょうか。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『わ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする