2019年10月30日

10月の一冊

今月は14冊の読書でした。

・「ヘンだと思ってたけどやっぱりヘンだったあのヒトたち ワイドショーお騒がせオンナ列伝」山田美保子
・「侠飯3 怒涛の賄い篇」福澤徹三
・「好きなものを食べて長生きできる 長寿の新栄養学」フレディ松川
・「いつまでも白い羽根」藤岡陽子
・「銀翼のイカロス」池井戸潤
・「フランス料理は進化する」宇田川悟
・「ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領」アンドレス・ダンサ/エルネスト・トゥルボブィッツ 
・「わすれなぐさ」吉屋信子
・「ゆで卵の丸かじり」東海林さだお
・「嘘つきLovers」知念みづき
・「ちばてつやが語る「ちばてつや」」ちばてつや
・「きれぎれ」町田康
・「ビートルズを呼んだ男 伝説の呼び屋・永島達司の生涯」野地秩嘉
・「スイッチ」さとうさくら

「ヘンだと思ってたけどやっぱりヘンだったあのヒトたち ワイドショーお騒がせオンナ列伝」、まあミーハーな本です。(笑)
読んでためにはなりませんが、ひまつぶしにはなります。
「侠飯3 怒涛の賄い篇」、シリーズ第3弾の今回はヤクザ事務所の賄い飯でした。
見た目いかつい柳刃の真摯さがいいですね。
「好きなものを食べて長生きできる 長寿の新栄養学」、健康オタクというのがやたら多いですよね。
好きなものを食べずに我慢してまで長生きしたいのか、と考えさせられます。
「いつまでも白い羽根」、看護師ではなく看護学生たちを描いています。
看護学校とか看護実習のリアリティはさすがに現役の看護師でもある作者ならではしょうか。
「銀翼のイカロス」、半沢直樹シリーズ第4弾。
あいかわらず一級のエンターテイメントですね。
「フランス料理は進化する」、ルイ14世の時代から現代までフランス料理はどのように進化してきたのか。
いろんなシェフや食材、地方料理などにも触れ、フランス料理の魅力を伝えています。
「ホセ・ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領」、元ゲリラという異色の経歴を持つ元ウルグアイ大統領のルポタージュ。
金持ちになることが幸せではない、と。
「わすれなぐさ」、昭和ロマンな少女小説。
まあ雰囲気はありますね。
「ゆで卵の丸かじり」、ゆで卵は丸ごと口に入れて食べるのがおいしいと看破。
恐れ入りました。(笑)
「嘘つきLovers」、親友に頼まれ見ず知らずの男を誘惑する主人公。
説得力なさすぎ。
「ちばてつやが語る「ちばてつや」」、ベテラン漫画家が語る半生と作品。
とても興味深く読みました。
「きれぎれ」、かなりシュールで難解ではありますが、これはもう深く考えず身をゆだねて読むべし。
そしたらまあバカバカしくて大いに笑えます。
「ビートルズを呼んだ男 伝説の呼び屋・永島達司の生涯」、ビートルズを呼んだ男とのことですが、もちろん他の大物も多数招聘しています。
あまり表に出ることはありませんでしたが、大きな人物ですねぇ。
「スイッチ」、友達も彼氏もおらず26歳で処女。
でもしっかりと自分の世界を持っていればそれでいいんじゃないかと思いましたけどね。

では今月の一冊をば。
絞りまして「いつまでも白い羽根」と「銀翼のイカロス」ですね。
「銀翼のイカロス」はさすがの半沢直樹シリーズで面白く一気に読んだのですが、「いつまでも白い羽根」のじんわりと染み入る魅力も捨てがたく。
派手さはありませんが、このような小説がもっと読まれることを願い、「いつまでも白い羽根」を今月の一冊に選びます。

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2019年10月28日

「スイッチ」さとうさくら

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苫子は26歳。
就職活動で落ち続け、現在はフリーター。
友達も彼氏もおらず、いまだ処女。
コミュニケーションが苦手でファミレスのバイトもクビになってしまいます。
なんとか清掃会社にバイトで入り、そこでいろんな人と出会います。
苫子の教育を担当した主婦の中島さん、後輩の元キャバクラ嬢の瑠夏、苫子が清掃しているビルに会社がある短大時代同じ専攻だった結衣。
たまたま仕事帰りに目について立ち寄った喫茶店のマスター、サル男。
いろんな人と関わりながら、苫子の日常が変わってきます・・・・。
これが作者のデビュー作。
以前に「携帯を盗み読む女」というのを読みまして、これがイマイチでした。
ですがこのデビュー作は思いのほかよかった。
最後までじっくりと読まされました。
それぞれの登場人物にいろんな事情があり、苫子がそれに巻き込まれながらも性格的に近づけず距離を置いた付き合いだったりします。
そのあたりをじっくりと描いていますね。
タイトルのスイッチですが、これは人に皆首の後ろにでも小さなスイッチがあり、そのスイッチを押すとその人物がこの世から消える。
そんなスイッチがあればいいのに、という苫子の願望です。
苫子の性格といいますか世の中から浮いていると思っている心理を表しているとは思いますが、タイトルにするほど効果的なアイテムになっているのかなと思いました。
ラベル:小説
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2019年10月26日

「ビートルズを呼んだ男 伝説の呼び屋・永島達司の生涯」野地秩嘉

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1950年代。
呼び屋といわれる人たちが現れます。
戦後の日本に海外の有名なミュージシャンなどを招聘した人たち。
今でいうプロモーターですね。
でも当時はそんなカタカナな言葉などなく、呼び屋という侮蔑的な意味も込めた言葉で呼ばれていました。
しかしそのような仕事に生涯を捧げ、世界中のミュージシャンから尊敬された人物がいました。
1966年にビートルズを来日させた男、永島達司です・・・・。
タイトルにもあるようにビートルズを来日させた人物の半生を描いたノンフィクションです。
内容としましてはビートルズの招聘がメインとなってはいますが、それまでの経歴がすごい。
本書ではまずジャズミュージシャンのジョージ・ルイスから始まります。
彼とのやりとりを読みますと、永島の真摯な姿勢がわかりますし、それに応えるジョージ・ルイスの人物もまたいい。
その後関わった有名ミュージシャンは数知れず。
巻頭にはビートルズの貴重な写真が掲載されていますし、マイケル・ジャクソンやエルトン・ジョンとの写真もあります。
そのビートルズですが、当然当時の呼び屋たちは彼らを狙っていました。
世界的なスーパースターですから。
そんなビートルズであったにも関わらず永島は食指を動かさなかったのですが、向こうから話が来たんですね。
日本でコンサートをやりたいと。
永島、やってくれないかと。
いかに永島が信頼されていたかということですよね。
しかし永島はこの話を断ろうと思っていたそうです。
このあたりのエピソードもまた永島の人物がよく描かれていると思います。
永島達司という人、実に真摯で紳士な人物だったのですね。
当時としては、いや現在でもちょっと日本人離れした感性の持ち主だったようです。
そんな永島達司という人物、そして日本の音楽興行の変遷、その舞台裏、そういったことが記された資料的な価値もある一冊かと思います。
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2019年10月24日

「きれぎれ」町田康

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『俺』は絵描きとのことですがろくに絵なんか描いていません。
ランパブに通い詰め、絵の具を買う金さえなく、実家の陶器店や友人たちに借金してまわるような体たらくです。
母親が設定した見合いも出された鰻をちゅるちゅる吸って食べ、ぶち壊しにする有様。
そんな中、自分よりもヘタクソな絵を描いていた吉原が一躍脚光を浴びて。
しかも吉原の妻になったのが自分がぶち壊した見合いの相手です。
そんな吉原にさえ金を借りに行くような有様で・・・・。
この作者の作品は何冊か読んできましたけども、これがいちばん難解ですね。
現実と妄想が入り交じり、なんともシュール。
ただ主人公がどうしようもないクズ(笑)だというのは一貫していますね。
自堕落でドタバタゴロゴロと人生を転げ落ちていく。
芥川賞受賞の表題作と、もう1編「人生の聖」という作品が収録されています。
まだこちらのほうが読みやすいように思いましたが、しかし内容といえばこれまたハチャメチャで。
頭蓋骨を切除してクリアーな強化プラスチックをはめ込み、脳みそ丸見えのスケルトンにしてみたりとか。
いや、もう。
さて、この表題作、芥川賞でどのように評価されていたのかと調べてみますと、やはり宮本輝氏がブチ切れておられましたね。(笑)
さもありなん。
この人、三島賞の選評でも舞城王太郎の「阿修羅ガール」に「ええかげんにせえや!」とブチ切れておられましたもんね。
わからないでもない。
町田康にしろ舞城王太郎にしろ、だめな人にはほんとに耐え難いと思います。
私は町田康の才能というのは特異だと思うんですけど。
中上健次が生きていたらどのように評価しただろうと気になります。
ラベル:小説
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2019年10月22日

「ちばてつやが語る「ちばてつや」」ちばてつや

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いまや漫画界の巨匠であるちばてつや。
昭和20年に6歳で満州から引き揚げてきた頃からの人生を振り返り、いかにして漫画家になったのか、そしてデビューしてからのひとつひとつの作品に込められた思いやエピソードを語った自伝です。
ちばてつやといえば数々のヒット作で知られ、ずっと第一線で活躍してこられた漫画家さんですね。
「あしたのジョー」、「のたり松太郎」、「おれは鉄平」、「ハリスの旋風」・・・・。
ヒットに恵まれず消えていく漫画家がほとんどの中、これだけの大きな作品を何作も残すなんてすごいことなんですよね。
本書では順を追って当時に発表した作品を紹介しておられます。
なぜそのような作品を描こうと思ったのか、その時の状況はどうだったのか、どのような苦労があったのか。
制作秘話といいますか、作品を読んでいるだけではもちろん知ることのできない話が満載です。
弟のちばあきお、七三太朗といった人たちも登場します。
漫画に興味のある人ならば、ぜひ読んでいただきたい一冊ですね。
ラベル:漫画本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『ち』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする