2019年12月01日

「京都の中華」姜尚美

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京都の中華というのはどうも独特らしい。
品書きはごく普通なのですが、味付けが穏やか。
にんにくや香辛料、油などは控えめ。
これは祇園などの花街でお座敷に匂いを持ち込むのを嫌った結果だそうです。
盛り付けもやはりどこか落ち着いた佇まいがあるようで。
表紙の写真は酢豚ですが、ピーマンの緑やらニンジンの赤やらがありません。
実にシンプル。
使っている酢もまったりしていて、ちょっと甘いのだとか。
ダシにも和食のように昆布を使っている店もあるようです。
店構えにも風情があり、中には庭のある和室でいただける店もあったりします。
さすがの京都でしょうか。
といいましても、もちろん京都のすべての中華屋がそんな独特なわけではないでしょう。
他府県に比べたら一部の地域にそのような店が多いというだけで、ほとんどは他の土地の街中華と変わらないのではと思います。
なんといっても『餃子の王将』の本拠地でもありますから。(笑)
ラーメンでもあの『天下一品』は京都発祥ですし、『新福菜館』なんて真っ黒なスープは京都版ブラックラーメンです。
この店のラーメンには「見た目ほどしょっぱくない」というお約束な形容がついて回るのですが、いや、じゅうぶんしょっぱいですって。(笑)
京都というとどうしても京料理の繊細なイメージがありますけども、庶民レベルではけっこうどぎつかったりするんですよね。
話が逸れました。
いや、だからこそこの本で紹介されている店は貴重であり、京都独特の中華として紹介に値するわけです。
京都の中華に限らずですけど、こういう個性ある昔ながらの店がどんどん無くなってきています。
昔はどこにでもあったごく普通の大衆食堂も今はほとんど見かけることもなく、あれば貴重なレトロ扱いです。
他の街に比べると京都はまだ多少ゆっくりと時間が流れているように思いますし、昔ながらの良さというものを引き継いでいこうという気構えがあるように勝手に思っています。
ここに紹介されている店が末永く営業されますよう。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『か』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする