2020年02月29日

2月の一冊

今月は14冊の読書となりました。

・「何がどうして」ナンシー関
・「よるのふくらみ」窪美澄
・「ミート・ザ・ビート」羽田圭介
・「変わる家族 変わる食卓 真実に破壊されるマーケティング常識」岩村暢子
・「縁を結うひと」深沢潮
・「春琴抄」谷崎潤一郎
・「コンプレックスの行き先は」里崎雅
・「最終増補版 餃子の王将社長射殺事件」一橋文哉
・「明るい夜」黒川創
・「私の大好物 PART2」週刊文春 編
・「湘南シェアハウス」広谷鏡子
・「ベスト珍書 このヘンな本がすごい!」ハマザキカク
・「夢を食った男たち 「スター誕生」と歌謡曲黄金時代の70年代」阿久悠
・「カオス」梁石日

「何がどうして」、毎度するどい指摘と消しゴム版画。
でも今回はどちらもいまいちな感がありました。
「よるのふくらみ」、兄弟と幼馴染みの女性の三角関係。
ありそうで実際はこんなのほとんどないと思うんですけどね。
「ミート・ザ・ビート」、いまいちタイトルと内容が合致せずな印象。
なにを書きたかったのか。
「変わる家族 変わる食卓 真実に破壊されるマーケティング常識」、これを読むと今どきの若い主婦はと愚痴をこぼしたくなります。
他人の家庭とはいえ。
「縁を結うひと」、どれも在日朝鮮人・韓国人を主人公とした連作短編集。
日常のリアリティーを感じました。
「春琴抄」、ひたすら盲目の女に尽くし、自分の手で自らも盲目となる男の話。
実験的な文体で書かれています。
「コンプレックスの行き先は」、ぽっちゃり体形がコンプレックスな主人公。
そんな主人公を中学時代からひたすら好きでいてくれた男性と再会するという、ぽっちゃり女性にとっては非常にロマンのある(?)お話です。
「最終増補版 餃子の王将社長射殺事件」、事件から7年。
いまだに解決していない事件のドキュメンタリーです。
「明るい夜」、自分とはなんだろう、なにをしたいのだろう、居場所はどこなのだろう。
そんなことをふと思わせる小説でした。
「私の大好物 PART2」、著名人が自分の好きな飲食店の料理を紹介した一冊。
文章だけでなくオールカラーの写真が嬉しい。
「湘南シェアハウス」、老後の人生、第二の人生をよく書かれるこの作者。
私は好きです。
「ベスト珍書 このヘンな本がすごい!」、タイトル通り珍書を紹介した本です。
出版されるすべての新刊をチェックしているという著者がすごい。
「夢を食った男たち 「スター誕生」と歌謡曲黄金時代の70年代」、歌番組も少なくなった昨今。
まさしく70年代は歌謡曲の黄金時代でした。
「カオス」、新宿歌舞伎町を舞台にしたクライムノベル。
ただこの作者、やはり後半がね・・・・。

ではでは今月の一冊を。
印象が強かったのは「縁を結うひと」です。
今月はこれを選びます。

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2020年02月27日

「カオス」梁石日

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どこの組織にも属さず、新宿歌舞伎町で生きぬいている李学英と金鉄治。
ある日、台湾人の実業家から漢方薬の売買をもちかけられます。
その話は断ったものの、それ以降得体のしれない何者かに付きまとわられます。
実業家を問い詰めたところ、やはり麻薬が絡んでおり、かなりやばい状態のようです。
その実業家は逃亡するため、学英と鉄治に経営している名門中華料理店の『龍門』を格安で譲るといいます。
話に乗って『龍門』を購入しオーナーになった二人ですが、やはり得体のしれない何者かが二人を脅しにかかってきます・・・・。
在日朝鮮人の二人が歌舞伎町を舞台に生き抜いていく話。
もちろんそうなると裏社会が絡んできます。
二人は特にヤバイ仕事をしているわけではないのですが、漢方薬の売買をもちかけられ、それがきっかけでトラブルに巻き込まれます。
せっかく手に入れた『龍門』も手放さなくてはならないような事態に。
それをどう凌いでいくのかが読ませどころで。
まあそれなりに緊迫感もありました。
でもね。
やはり最後はずっこけましたね。
いつも書いていますけどもこの作者、途中まではいいんですけど、後半息切れしてしまうんですよね。(笑)
んで、詩の影響が大きく、話の結末を詩的にまとめてしまう。
その詩的というのもまたメルヘン系なんですよ。
おいおい、です。
ま、「血と骨」レベルを期待しても酷でしょうけど。
ほんと途中までは面白いんですよ。
最後がね・・・・。
ラベル:小説
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2020年02月25日

「夢を食った男たち 「スター誕生」と歌謡曲黄金時代の70年代」阿久悠

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歌謡曲の全盛期といえば70年代。
そのブームを築いたひとつのきっかけとして『スター誕生』という番組がありました。
ここからデビューした歌手は実に多い。
森昌子、桜田淳子、山口百恵、岩崎宏美、ピンク・レディー、柏原芳恵、小泉今日子、中森明菜・・・・。
ビッグネームがずらりです。
もちろん消えていった人もいるわけですが。
そもそもはナベプロこと渡辺プロダクションがこの業界で半分以上のシェアを占め、その影響力は絶大でした。
そんなナベプロと日本テレビがある事情から絶縁戦争状態となり、ナベプロのタレントは使えなくなりました。
こうなると自前でタレントを育てなくてはなりません。
ナベプロとの戦争に勝つ。
そんな目標もあり生まれたのが『スター誕生』でした・・・・。
著者の阿久悠氏は審査員として番組にも登場していましたが、企画の段階からこの番組に関わっています。
まさかこのような化け物番組になるとは思いもよらなかったようで。
ピンク・レディーのエピソードなんてのもそれを象徴しているように思えます。
あまり期待もされず、まさかあんなに売れるとは誰も思わなかったようです。
普通期待の新人は、だいたい5月までにはデビューさせるとのこと。
新人賞を狙うには知名度やレコードの売り上げも考え、これくらいにはデビューさせないと間に合わない。
ところがピンク・レディーのデビューは8月だったそうです。
「大して期待されていなかったことが、この発売日の設定でもわかる」と著者は書いています。
実は同じ決勝大会でスカウトされた清水由貴子が大いに期待されていたのですね。
彼女は決勝大会前から一人勝ちが予想されていました。
本命があって対抗も大穴もいないとさえいわれていたようです。
そんな清水由貴子のデビューは翌年の3月。
期待の新人定番通りのデビュー予定です。
さて8月デビューのピンク・レディー、デビュー曲は『ペッパー警部』。
作詞・阿久悠、作曲・都倉俊一。
これが売れた。
発売1か月後には街のあちこちで子供たちが振り付けをまねて歌うほどのブームとなり、一気にスターへと駆け上がります。
こうなると翌年3月にデビューした本命であるはずの清水由貴子などぶっ飛んでしまいました。
「ピンク・レディーの猛威に吹き飛ばされる前に世に出ていたら、『お元気ですか』という曲は、もっと売れたはず」と著者。
他の世界でも蓋を開けてみなければわからないというのはありますよね。
プロ野球でもドラフト1位の選手が必ずしも活躍するわけではありません。
ハンカチなんたらという人のように。
逆にイチローなんかはドラフト4位でしたが、その後は世界のイチローです。
いやしかし、『スター誕生』という番組、芸能界に大きな影響をもたらしました。
そして作詞家である著者の阿久悠氏もまた一時代を築いた人です。
時代や人が上手く噛み合い、歴史は変わり、作られていくのですね。
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2020年02月23日

「ベスト珍書 このヘンな本がすごい!」ハマザキカク

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世の中にはヘンな本というのがあるようで。
でもそんな本ってたいがいマイナーな出版社から出されていて、ベストセラー本のようにそこらの本屋で見かけるというものではありません。
本は年間8万冊ぐらい刊行されているとのことですが、なんと本書の著者はその新刊すべてをチェックしておられるとのこと。
もちろんすべての内容を読んでいるというわけではありません。
どのような新刊が出ているのかをチェックしているということです。
ジャンルは医学書、料理本、写真集など、とにかくすべての新刊。
頭が痛くなりそうです。(笑)
そんな中から選び抜かれた珍書100冊。
ただ正直言いまして、さほどインパクトはなかったです。
もっと奇抜な本が羅列されているのかと思ってましたから。
例えば図鑑では、『日本のロープウェイ・ゴンドラ 全ガイド』という本。
たしかに他にはないでしょうね。
でもロープウェイ・ゴンドラを網羅したカタログとして見れば、「そりゃあるんじゃない?」なんて思ってしまいます。
子供用の本で『ゆかいな幼稚園バス大集合!』というのは、トーマスだのピカチュウだののキャラクターが象られた幼稚園バスが収録されているそうです。
これも珍書というのとは違うんじゃないかと。
ある意味子供用図鑑のジャンルとしてはあって当たり前な感さえあります。
ただ『背脂番付』なるラーメンの背脂だけに着目して番付しているという本などは「ちょっとキテるな」と思いますけどね。
理工書では「π」というただひたすら円周率の数字を100万ケタ載せただけの本とか、だれが購入するんだと。(笑)
『歯車損傷図鑑』というのはその名の通りひたすら歯車の損傷状態を収集した本です。
運転前欠損、正常摩耗、損傷の兆候、摩耗、スカッフィング・・・・などなど、章分けされているそうです。
一般人が見てもなんら面白くない(私は個人的にぜひ見てみたい 笑)本だと思いますが、エンジニアの人たちにとっては非常に参考になる本なのかもしれません。
語学書では『クリーム・パン式単語暗記法』という本があり、“大志”を意味する“aspiration”を暗記するのに「アー! 酢っぱ! 冷酒 うん 飲んで大志について語ろうか? やはり向上心は人間に必要だよ」と紹介されているとか。
おまけにマヌケなイラストも添えられているそうです。
ストレートに暗記したほうがラクだと思いますが。
やはり一般人にとっては専門書に珍書と感じる本が多いのかなと思えます。
その専門家にすればまったく珍書でもなんでもなかったりするんでしょうけど。
そんなこんな、いろんな本が紹介されていますが、まあ実物を手にせずともこの本の紹介でじゅうぶんではないかと。(笑)
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2020年02月21日

「湘南シェアハウス」広谷鏡子

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小説家の夏都は50歳。
立て続けに両親を亡くします。
その結果、母が祖母から譲り受けていた江ノ島の古いアパートを相続することになります。
夏都にも祖母との思い出のある敷地に建てたアパートです。
飲みながらその話を聞いた夏都の担当編集者であり親友でもある紀世子が、酔った勢いでそのアパートをリフォームしてシェアハウスにしてはと提案します。
最初は酒の席のノリ的な話だったのですが、だんだんと話が現実化していきます。
徐々に入居するメンバーも決まってきます。
紀世子はもちろん、夏都が通っていたストレッチ教室の講師である北尾アリサ、夏都の大ファンである75歳の田所史子、元ルポライターで現在は女子大の准教授の栗田真代。
年齢もそれまで過ごしてきた環境も違う妙齢の女性5人の生活が始まります・・・・。
作者は以前に「花狂い」という作品で、初老の主婦の恋愛や自立、アイデンティティを描いておられました。
本作ではそれをもっと多人数で展開しておられます。
それぞれいろんな事情を持った5人の女性。
ぶつかり合うこともあるのですが、解り合えるのはやはり男性よりも女性同士なんだよというメッセージがあります。
つまらない男と一緒にいるより、基本的な考えを同じくする女性同士のほうがよほどいいと。
ちなみに史子が読んで感動したという夏都の小説のモデルが「花狂い」なんですよね。
メタフィクション的な構成です。
なのでこの作品は「花狂い」の発展形ともいえます。
しかしこういうのを読ませられますと、女性というのは男性よりもずっとシビアで現実的だなとあらためて思います。
いざ冷酷なのは女性です。
男性の甘さ暢気さをひしひしと思います。(笑)
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする