大衆食堂。
なんていっても今の若い人たちにはわからない人が多いのでは。
だってもうそこらにないですから
看板に『めし・丼 一式』なんて書いてあって。
並んで『酒』なんて書いてあったりもします。
店に入ると安っぽいテーブルがいくつかあって。
近所の隠居したジイさんが昼間からビール飲んでたり、土方のオッサンらがガニ股でわしわしメシ食ってたり。
カウンターやケースの中にはいろんなおかずが並んでいて。
それを何品か取って「メシ大盛りな」なんてオカーチャンに注文して。
ああ、なんでこんな素晴らしい店がなくなりつつあるのか。
この本はいまだに営業しておられる(刊行は2002年)そんな貴重な大衆食堂を紹介しておられます。
東京限定ではありますが。
昔ながらの大衆食堂がなくなっていくのは、時代の流れといってしまえばそうなのかもしれません。
ファミレスやファーストフード、牛丼屋に比べたら、入りづらく割高なのかもしれません。
しかしこの本を見てみますと、この内容でこの値段? と安くてびっくりすることもあります。
で、若い人たちって、このような店で注文できないという話も書かれていました。
定食がなく自分でおかずを選ぶ店で、定食がないといわれると店を出る人もいるとか。
自分で選べないんですよと嘆く店主もいらっしゃいます。
これもファミレスやファーストフードのセットに慣れてしまっている弊害なんでしょうか。
いくらなんでもと思いますが、事実なんですよね。
でも大衆食堂、スタイルを変えて受け継がれてはいます。
『やよい軒』とか『大戸屋』とか『街かど屋』とか。
どれもチェーン店ですけどね。
昔ながらのオトーサンオカーサン経営の食堂はやはり消えていくんでしょうか。
寂しいです。
ラベル:グルメ本