2020年04月13日

「柳生薔薇剣」荒山徹

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秀吉の朝鮮出兵時に朝鮮から日本に渡ってきた人がたくさんいました。
うねもそのひとりです。
肥後・熊本藩で藩士の貴月主馬の妻として日本人になりきって平和な生活を営んでいたのですが、朝鮮からそのような人たちを連れ戻そうと使者がやってきます。
幕府は強制はしないという方針だったのですが、隈本藩は過剰反応し強制的に朝鮮人たちを帰国させる決定を下します。
もちろんうねもその対象です。
しかしうねには夫と3人の息子を残して今さらひどい仕打ちをしてきた朝鮮に戻る気などありません。
夫である主馬は脱藩してでもうねを守るため、鎌倉の駆け込み寺である東慶寺までうめを護送します。
ここに駆け込んでしまえば誰も手が出せません。
しかし主馬と3人の息子は追手に切られ、それでもうめは這う這うの体で東慶寺に駆け込むことができました。
それを偶然手助けしたのが柳生宗矩の娘で柳生十兵衛の姉である柳生矩香(のりか)。
ですがここからうねをめぐって凄まじい争いが始まります・・・・。
矩香って名前がもうね、これ藤原紀香が人気あったころですかね。(笑)
で、うねをめぐって将軍徳川家光とその父であり大御所である徳川秀忠の争奪戦が始まるわけです。
東慶寺の住持天秀尼は豊臣秀吉の孫娘である涼姫。
家光は以前から涼姫に想いを寄せており、東慶寺を守る、つまりうねを守る側になります。
矩香や父の柳生宗矩が付くのは家光側です。
秀忠側も魔剣使いや妖術使い、矩香が昔ほのかに想いを寄せていた剣客などを引っ張り出してきて、もう大騒ぎ。(笑)
山田風太郎どころじゃないですね、こりゃ。
しかしたかが朝鮮人女性ひとりをめぐってここまでやりますか。
死者数十人ですよ。
まあ朝鮮使節団のプライドなんかもあったりするんですけど。
でもただ荒唐無稽なだけではなく、説得力もあります。
強引ですが。
そうそう、この作者なんでこんなに朝鮮にこだわるんでしょう。
あと柳生とか。
いや、独特の世界観が実に面白いんですけどね。
ラベル:時代小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『あ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする