2020年09月29日

9月の一冊

今月の読書は11冊。
いつもより少なめでした。

・「うまい! 酒の肴になる! おつまみ缶詰酒場」黒川勇人
・「大阪船場 おかみの才覚 「ごりょんさん」の日記を読む」荒木康代
・「オタクの迷い道」岡田斗司夫
・「男の銘柄」円地文子
・「町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう」町中華探検隊(北尾トロ・下関マグロ・竜超)
・「麻婆豆腐の女房 「赤坂 四川飯店」物語」吉永みち子
・「磁極反転の日」伊与原新
・「製鉄天使」桜庭一樹
・「名画は嘘をつく」木村泰司
・「喧嘩猿」木内一裕
・「ゴーマニズム戦歴」小林よしのり

「うまい! 酒の肴になる! おつまみ缶詰酒場」、かなり豊富な種類が出回っている缶詰。
それらの紹介と、ちょっとひと手間加えたレシピの本。
「大阪船場 おかみの才覚 「ごりょんさん」の日記を読む」、ごりょんさんなんて今は死語ですねぇ。
これを読んだ影響かどうか、懐かしく「あっちこっち丁稚」の動画なんて見てしまいました。(笑)
「オタクの迷い道」、オタキングの書いたまさにオタクな内容の本。
でもいまやオタクも立派なスペシャリストですよ。(?)
「男の銘柄」、男たちを株の銘柄になぞらえて評価する女。
円地作品としてはややエロチックな内容。
「町中華とはなんだ 昭和の味を食べに行こう」、いわゆるごく普通の昔ながらの中華屋さんを食べ歩き評価しようと。
いまや大衆食堂と同じく絶滅に向かっています。
「麻婆豆腐の女房 「赤坂 四川飯店」物語」、料理人・陳建民の奥様、洋子夫人にスポットを当てたノンフィクション。
あの名料理人の活躍は洋子夫人のサポートあってこそだったんだなぁと。
「磁極反転の日」、久々にSF小説を読みましたかね。
作者のきっちりとした知識に裏付けされたリアリティのある小説でした。
「製鉄天使」、主人公のキャラがやはりいいですね。
ただそれに合わせた文体にちょっとイタさも感じましたけど。
「名画は嘘をつく」、数々の名画にまつわるエピソードの紹介。
この絵、こういうふうに思われてるけど実はこうなんですよと。
「喧嘩猿」、この作者が時代小説に手を出すとは。
相当下調べして書かれたんだろうなとひしひし思いました。
「ゴーマニズム戦歴」、「ゴーマニズム宣言」の作者によるタイトル通り戦歴ですね。
自著の解説でもあり裏話でもあり思想の主張でもあり。

えー、今月の一冊を選ぶということで。
そうですね、「ゴーマニズム戦歴」で。
作者の思想についてどうこうはともかくとしまして、張ってるなぁという姿勢には共感しましたし。
オウム真理教に暗殺されかけたなんてとんでもない経験も、言論家としては凄味といえましょう。(笑)
いや、命のかかった話に「(笑)」なんて書いちゃいけないんですけども。
それだけあの団体をビビらせ焦らせたんですから。
今月の一冊はこれでいきます。

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2020年09月27日

「ゴーマニズム戦歴」小林よしのり

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1992年、「ゴーマニズム宣言」という漫画で言論界に切り込んだ小林よしのり。
皇室、差別問題、オウム真理教事件、薬害エイズ問題、従軍慰安婦問題、戦争論、天皇論・・・・。
片っ端から斬り込んでこられましたね。
漫画家という立場で、そして漫画というジャンルで、このような活動ができるのだと、ある意味新しいジャンルを開拓されました。
大学教授だの評論家だのいう人たちの書いた硬い本なんか手に取らない人たちも、漫画なら読みます。
「世界」(岩波書店)、「中央公論」(中央公論新社)、「正論」(産業経済新聞社)、「諸君!」(文藝春秋 すでに廃刊)などなど、こんな雑誌を購読している人なんて周りで見たことない。(笑)
でも「SPA」や「SAPIO」に連載されている漫画ならかなりの人が読む。
というわけで俄然注目を浴び、若い人たちをも引き寄せたんですね。
もちろん氏の意見には賛否両論あります。
あって当然です。
ただ私はかなりの部分で賛同できます。
特に日本人の自虐史観については、これはよくぞ描いてくださったと。
なんで日本人ってこんなに自分の国の歴史や文化を自虐するんでしょうか。
謙虚や謙遜は日本の美徳ですが、それと自虐はまったく違います。
国歌を否定する。
国旗を否定する。
こんなアホな国世界中探しても日本だけですよ。
国の歌、国の旗に敬意を表するどころか否定するなんて。
以前に式典で「君が代」を歌うのはけしからんと主張した団体がありまして、じゃあどうするのかといえば「ハレルヤ」にしろと。
もうアホかと。(笑)
なんで日本の式典で外国の歌を歌わにゃならん。
つーか、「君が代」の意味、「ハレルヤ」の意味を知っているなら絶対にこんなバカな発想は出てこないはずなんですが。
こういう連中はなにがなんでも否定ありきなんでしょうね。
従軍慰安婦問題にしても日本はなんら卑屈になる必要はないんです。
そういうことをきっちりと主張しておられるのは私にとっては実に心地よい。
もちろん異議も多数あるでしょうから、いつまでたっても落ち着かないでしょうけどね。
しかし著者の小林よしのり、デビュー作の「東大一直線」を描いておられた頃からは想像もつかない漫画家になられましたね。
いまや日本に物申す論客です。
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2020年09月25日

「喧嘩猿」木内一裕

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時代は幕末。
ペリーの黒船が来航した頃のこと。
といいましてもこの小説の内容にはそのような幕末感はないのですが。
主人公は森の石松。
清水の次郎長の子分として有名な人物ですが、この小説はそれ以前の少年時代の石松の物語です。
黒駒の勝蔵という人物に左目をつぶされ池田鬼神丸という名刀も持っていかれた石松は、傷も癒えぬうちに故郷を飛び出し後を追います。
旅の途中で武居の吃安というやくざと出会い、いよいよ勝蔵のもとへ・・・・。
やはり読ませてくれましたね、木内一裕。
これは作者にとって7作目の作品であり、初の時代小説。
解説によりますと昔の講談本を手本にされているとのことで、昔の字体を使った漢字が多用されており、また文体も同じく。
なので最初は見た目のページの字面にちょっと引きまして、だいじょうぶかなと読み始めたのですが。
なんのなんの。
逆にこの文字使い文体あっての作品です。
ぐいぐいと引き込まれました。
石松をはじめとして、吃安にしろ勝蔵にしろ、その他の人物にしろ、実に迫力があります。
石松の無鉄砲な魅力がいいですね。
他の登場人物にしても。
いやしかしこの作者、このようなジャンルでも存分に才能を発揮しておられます。
小説家としてまったく評価されていないのが不思議でなりません。
ラベル:時代小説
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2020年09月23日

「名画は嘘をつく」木村泰司

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名画にはどんな「嘘」が秘められているのか。
「モナリザ」は世界で一番美しい肖像画といわれているが実は・・・・。
ムンクの「叫び」は誰が何に向かって叫んでいるのか・・・・などなど。
名画に対して多くの人たちがしているであろう勘違いについて、著者が真実を明らかにします。
ってなんだかすごく大層なことのようですが、読んでみてそれほどでもなかったなと思ってしまいました。(笑)
いや、実はもっとすごい真実が隠されているのだと勝手にこちらが期待していただけなのですが。
「モナリザ」にしても、そもそも誰が世界一美しいなんて言ってんのって話です。
レンブラントの「夜警」も実は夜ではなく昼の場面だといわれても、へぇそうなのと。
ターナーの「戦艦テメレール号」は夕陽に見えるが実は朝陽だとか。
はあ、そうですかと。
えっ、と驚くほどのことではありません。
ただそうやって解説されないとわからないことではあるので、なるほどと感心はしますが。
まあ絵画版雑学の本といったところでしょうか。
当然のことながらオールカラー。
文庫本ではありますが、画集としても楽しめます。
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2020年09月19日

「製鉄天使」桜庭一樹

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東海道を西へ、西へ、中国山地を越えて、さらに下ったその先、地の果てみたいな、日本の最果て・・・・鳥取県赤珠村。
そんな村の経済を支える名家の製鉄会社赤緑豆製鉄の長女が赤緑豆小豆。
バカお嬢と呼ばれています。
ヤンチャですでに中高生にも名前を知られた小学生ですが、中学に入ってボコボコにされます。
しかしふざけて乗り回していたバイクの仲間がだんだんと集まり、やがては『製鉄天使』という暴走族を立ち上げ総長に。
小豆の中国地方制覇が始まります・・・・。
これは「赤朽葉家の伝説」のスピンオフ作品です。
赤朽葉毛毬が主人公である第二章の前半部分を深く書き込んでいるといいますか。
登場人物の名前はすべて変更されていますし、表現もかなりマンガっぽくなってはいますが。
まあそれがド田舎のヤンキー女を描くのに効果を発揮しています。
で、この作品にはちょっとした仕掛けがありまして、それがエピローグ以降で明かされるわけですが、これって必要だったのかな。
私は蛇足だと思いましたし、なのでこの仕掛け自体も必要ないと思ったんですけどね。
ところで鳥取県てそんなに最果て?(笑)
そういう設定だからこそ登場人物たちにとっては中国地方制圧という目標が世界制圧ほどのレベルとして描けたんでしょうけど。
さすがに日本制圧となるとこれはもう「男一匹ガキ大将」の世界になってしまい、いくらなんでも風呂敷広げすぎになってしまいますもんね。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 17:50| Comment(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする