2020年11月08日

「時計台の文字盤」源氏鶏太

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55歳の古沢新介はK機械工業株式会社の取締役総務部長。
ある日ひとりの男がやって来て、古沢の会社の社員に娘を傷物にされたとねじ込んできます。
結婚の約束をしておきながらホテルへ連れ込み、やはり結婚は困ると破棄したとか。
そのおかげで娘は自殺未遂したと。
取締役総務部長としてどう責任を取ってくれるのかと。
新介は善処することを約束するのですが・・・・。
このプロットだけ読むと「はぁ?」ですよね。
なんのこっちゃと。
まずこの作品が書かれたのは昭和50年です。
この当時は男女がホテルに行く、つまり肉体関係を結ぶというのは結婚が前提だったということです。
今からすれば信じられないですよね。
処女を相手にしたからには責任を取って結婚しなければならない。
そういう時代だったんです。
現在は出会ったその日にセックスしてそれっきり、なんてのもあります。
男も女もさばさばしたものです。
結婚する相手が処女じゃなかったから婚約破棄が成り立つなんてのも、今では考えられません。
それにそんなことを男が在籍している会社に親がねじ込むなんてありえません。
会社に責任を取れと。
でもこれは時代ということで、そのような当時の風潮を前提として書かれています。
それはいいのですが、この小説では何組も同じようなカップルが登場し、またそれらの人物が皆つながっているという、いくらなんでもそれはないだろうという展開です。
ちょっと作りすぎ。
650ページほどの長編ですが、この作家の小説はするすると読めます。
重い内容のはずですが、読み心地は軽やか。
で、タイトルの「時計台の文字盤」。
これ内容のどこから出てきたタイトルなんでしょうか???
各章のタイトルも同じく。
さっぱりわかりません。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『け』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする