2020年12月06日

「涼宮ハルヒの憤慨」谷川流

CIMG3737.JPG

シリーズ第8弾。
今回はいよいよ生徒会長がSOS団にケチをつけてきます。
勝手に文芸部の部室を乗っ取り、有名無実化している。
これ以上部室を使用し続けたいのなら、文芸部としての活動をしろと。
機関誌を作れと生徒会長は言います。
1週間以内に200部を刷り、全部捌けるのが条件だと。
できなければこの文芸部部室を明け渡さなければなりません。
負けん気の強いハルヒは当然受けて立ちます。
キョンや朝比奈さんたち部員にテーマを与えていろいろ書かせるのですが・・・・。
久しぶりに読みましたが、いやあ、やっぱり面白いなぁ。
ベストセラーになるだけありますよ。
それぞれのキャラが実にいいんですね。
ハルヒ、キョン、長門有希、朝比奈さん、古泉、他。
しっかりと描き分けられています。
世界観もラノベなノリなのですが、けっこうしっかりとSFしてますしね。
なので幅広く読者をつかんでいるはず。
今回はチラッとハルヒのキョンへの思いも匂わせています。
で、このシリーズ、最初の「涼宮ハルヒの憂鬱」が出版されたのが2003年。
今から17年前ですか。
当時生まれた赤ちゃんがいまや高校生です。
20歳だった青年が37歳のオッサンオバハンです。
しかし主人公たちはいまだ高校1年生という。(笑)
要はそれだけのスパンで支持されているし、幅広い年齢層に受け入れられているということです。
そしていよいよ今年の11月に9年ぶりの新刊「涼宮ハルヒの直感」が出版されました。
シリーズ第12弾ですね。
いずれこれも読ませていただきます。
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月04日

「アンパンの丸かじり」東海林さだお

CIMG3736.JPG

シリーズ第34弾。
これ、すごいことですよ。
毎週「週刊朝日」に連載され、それがまとまって本になります。
この本をいま数えてみましたら35編収録されていますね。
なので35週分。
これを今まで34冊。
よくもまあ書き続けてこられたものだと。
このレベルで。
前人未踏です。
食エッセイ界の「こち亀」と呼びたい。(笑)
さて今回は「アンパンの丸かじり」。
表題作として該当するのは「アンパンのしみじみ」という章ですね。
まず、アンパンには芸がない、と。
パンとアンコでそっけない。
見た目も平凡。
クロワッサンのような細工がない。
というところから始まって、アンパンには裏表がありますね。
茶色いほうと白いほう。
十人中十人、茶色いほうを上にして食べます。
言われてみればそうですよねぇ。
で、食べ方がどうだという話になり、昔駅の売店でサラリーマンがとんでもない食べ方をしているのを見たと。
左手に牛乳ビンを持ち、右手でアンパンをギュッギュッと握りしめ、小さく固めたアンパンをウグと飲み込んで牛乳で流し込む。
立ち去るまで30秒の手練れの早技だったそうです。
著者は実行します。(笑)
直径8センチくらいだったアンパンをゴルフボールを一回り大きくしたくらいにまで固めます。
食べてみると、これがとびっきりおいしいとのこと。
ただし、アンコが飛び出さないように気を付けてとのことですが、ほんまか?(笑)
「鍋焼うどん、たぎる!」なんて思いっきり笑わせていただきました。
カニ缶やうずらの卵など、まさに「あるある」、「そうそう」と頷いてしまいます。
こういうのを一編のエッセイにきっちりと仕上げるところが著者の才なんですね。
それを30年近くもですよ。
お見事です。
ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『し』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月02日

「東電OL症候群」佐野眞一

CIMG3735.JPG

東京電力という一流会社のOLが夜は売春婦として毎夜ホテル街に立っていました。
そして無人のアパートの一室で殺害されました。
当時は大きな話題になりましたね。
やはりなんといっても被害者がエリートだったというのが大きいです。
当時の彼女の肩書は企画部経済調査室副長。
なぜそんなエリートが売春などやっていたのか。
あるネパール人が犯人として逮捕されるのですが、証拠があまりにも不十分です。
しかし警察は強引に逮捕します。
著者は徹底した取材をし、被告人の無罪を主張します。
その通り、一審では無罪判決となりました。
ここまでを追ったのが「東電OL殺人事件」です。
これはその後を追った話であり、また前作を読んで感銘した読者たちに取材したりもしておられます。
一審で無罪になったものの、検察側は高裁に控訴します。
そして逆転有罪になってしまうのですね。
無期懲役。
不十分で説得力のない証拠にもかかわらず。
その後この裁判に関わった判事が少女買春で逮捕されます。
これについてもきっちりと取材。
この裁判で有罪を下した判事はどのような人物だったのかと。
それにしても司法なんていい加減なものですね。
裁判は客観的で公平なんてのは幻想です。
警察や検察、そして裁判に関わる者たちのさじ加減でどうにでもなる。
もし自分がこの被告人のような立場になったらと思うと、恐ろしくてなりません。
で、この事件といいますか、著者が記した「東電OL殺人事件」についての読者の反応はどうだったのか。
多数の手紙が寄こされたそうですが、ほとんど女性だったとか。
被害者に同感できるというんですね。
もしかしたらそれは自分かもしれないと。
この息詰まった世の中、そのような堕落願望、破滅願望のようなものは誰もが持っているのかもしれません。
男性はやはり性的好奇心で読んだ人が多いようです。
さて、前作本作と読みまして。
思いましたのは、やはり被害者の心の闇ですね。
そして被害者に自分を重ね合わせる女性たちの闇を思います。
マスコミの反応にも不満を覚えます。
そして司法の闇。
こんな判決がまかり通っていいのか。
ジャーナリストの筆で真実を書いていただき、ぜひともこのような理不尽に対抗していただきたいと無力な私は思います。
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする