2007年02月14日

「恋愛中毒」山本文緒

読む前はタイトルからして切なく悲しいベタな恋愛小説かと思っていました。
そんなのではなかったですね。
最初は男性の一人称で語られます。
この男性が主人公かと思いきや、同じ会社で働く女性事務員と飲むことになり、この女性事務員(主人公)が一人称で語り始めることによって物語が始まるのです。
地味で決して美しくもない主人公。
弁当屋で働く主人公はタレント兼作家の男と出逢います。
無邪気で自由奔放な作家に振り回される主人公。
何人も愛人がいます。
それでも健気に作家への気持ちを持ち続けます。
しかしいつまでも平穏な生活が続くわけはありません。
相手の離れていく愛情。
自分はこんなに一生懸命なのに、なぜ相手は離れていくのだろう。
主人公のヒリヒリするような心理描写が綴られます。
別れた夫のときもそうだった。
そんな精神的なプレッシャーがストーカーまがいの行動をおこし、夫のときは執行猶予、作家のときは刑務所にまで入ってしまう。
しかしわかる気はします。
恋愛なんてロマンチックなだけではありません。
綺麗事ではなく、すごく本音をさらけ出していると思いました。
でも作家のキャラがちょっと行き過ぎですかね。(笑)
男性の一人称で始まり、打ち明け話を聞く形で相手の女性の一人称によって物語が進み、結局そのまま終わってしまう。
それに違和感を覚えたのですが、巻末の林真理子の解説でなるほどと思いました。


ラベル:小説
posted by たろちゃん at 20:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 『や』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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