2009年05月31日

「夏の情婦」佐藤正午

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短編5編収録。

飄々とした私小説風の作風はやはりいかにも佐藤正午といった感じですね。

表題作の「夏の情婦」はアルバイトで塾の講師をしている主人公と、バッティングセンターで受付をしている女との恋愛話。

恋愛といってもこの主人公、セックスすることしか考えていない。(笑)

まともにデートもせず、ただ女の部屋に通ってセックスするだけなんですね。

これではまるで自分は情婦のようだと、女は男に愛想を尽かして去っていきます。

講師の仕事も思うように生徒が集まらないということで辞めることに。

二人のあいだにロマンチックなドラマがあるわけでもなく、淡々と過ぎ去った夏。

過去を振り返ったとき、陽炎の中にゆらめいていたあの頃、といったような小説です。

その他「傘を探す」、「恋人」など、じゅうぶんに佐藤正午を味わえる作品集だと思います。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 20:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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