2009年06月11日

「猫背の王子」中山可穂

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中山可穂のデビュー作です。

「白い薔薇の淵まで」「花伽藍」と読みまして、情念を感じさせる女性同士の深い恋愛に唸りました。

この作品の主人公もやはりレズビアンではあるのですが、しかしここでは恋愛よりも芝居にかける激しい情熱が描かれています。

芝居の演出家であり女優でもある王寺ミチル。

芝居のためならなにもかも犠牲にし、自分しか愛せないようなわがままさから周りの大事な人間が去ってしまいます。

そのため劇団を維持することができなくなり、しかし最後となる公演は大盛況で幕を閉じます。

二度と芝居の世界には戻らないであろう燃え尽きたような絶望感の中で、自殺未遂をおこすミチル。

気がついた病室の窓ガラスに映る自分の顔。

「わたしだけはおまえを愛している」という呟き。

"もうすこしくらいなら、生きてゆけるかもしれないと思った"ミチルはどこへ行くのでしょうか。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 『な』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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