2009年06月17日

「命」柳美里

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作家、柳美里。

今どき珍しい(?)私小説作家です。

小説では野間文芸新人賞、泉鏡花文学賞、芥川賞を受賞し、戯曲では岸田國士戯曲賞を受賞。

「石に泳ぐ魚」が最高裁で出版差し止めになったり、サイン会が右翼の脅迫により中止になったり、つねに話題になっている異端児的な作家でもあります。

そんな著者の作品の中でもこれは代表作といえるでしょう。

本作は「命」、「魂」「生」「声」からなる四部作の第一幕です。

妻子ある男性の子を身ごもったと同時に、かつて生活を共にしていた「東京キッドブラザース」の作・演出家である東由多加氏の癌が発覚します。

柳氏は子供を産むことを決意しますが、妊娠させた男性はのらりくらりと責任を回避します。

心細い中、お腹の中の子供は大きくなり、一緒に暮らし始めた東氏の病状は進んでいき・・。

迫り来る死と新たな生命の誕生。

お涙頂戴の感動小説ではなく、体にメスを入れ肉を切り開き、流れ出る血まで曝け出すような重い小説です。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 15:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ゆ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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