2009年10月08日

「青空チェリー」豊島ミホ

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表題作の「青空チェリー」は『女による女のためのR-18文学賞』読者賞受賞作。

どういう賞かといいますと、早い話が女性のためのエロ小説賞です。(笑)

応募は女性限定、選考も女性という規定。

ちなみに選考委員は、唯川恵山本文緒角田光代というコバルト出身三人衆。

コテコテなメンバーですが、いまや皆さん直木賞作家です。

どの作家も私は好きなんですけども。

それはともかくとしまして、これが豊島ミホのデビュー作。

十八歳の女の子が予備校の屋上から隣のラブホテルを覗き見してオナニーするなんてお話です。

同じ趣味の男の子と一緒に。

正直言いまして、かなり幼稚な内容ではあります。

R-18文学賞でどのような評価だったのかは知りませんが、大賞ではなく読者賞だったということにまさしくと納得。

小説としての完成度は、高校のクラスでちょいと書くのが上手い女の子がノートに書いた小説を回し読みさせているといったレベルでしょう。

それがやけに皆に受けたりして。

だからR-18文学賞でも大賞は無理(小説としての完成度は低い)だったけども、読者の共感は大きかった(しかし受ける)んでしょうね。

他に2作品収録されていますが、どちらもデビュー作よりはずっと進歩しています。

「ハニィ、空が灼けているよ。」がこの本の半分以上のボリュームを占め、内容的にも読み応えありました。

設定は現代ですが、戦時中です。

平和ボケしたこの国の現代の若者に戦争という設定をぶつけてみるというのが面白い。

どこか別世界の話のようでいて、しかし生々しい現実が主人公たちを襲います。

細かな部分の詰めの甘さが気になりますが。

もう一編の「誓いじゃないけど僕は思った」にしてもそうですが、どの作品にも明るく乾いた空気の中にどこかノスタルジックで切ない雰囲気が漂います。

これは豊島ミホの持ち味ですね。

今後どのような大人の小説を書いていかれるのかが気になるところです。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:43| Comment(1) | TrackBack(0) | 『と』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。同じ本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
表示されないようなので、URLを置かせていただきますね。
http://1iki.blog19.fc2.com/blog-entry-1301.html
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Posted by 藍色 at 2009年11月07日 16:38
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