2010年03月06日

「スイートリトルライズ」江國香織

Cimg0918

主人公の瑠璃子はテディベア作家。

2歳年下の夫、聡は外資系の情報システムの会社に勤めています。

子供はおらず不満のない日々。

しかし夕食が終わるとすぐに自分の部屋に鍵をかけて閉じこもりゲームをする夫に、瑠璃子は愛の飢餓感を感じています。

そんな瑠璃子の前に現れたのが春夫という年下の男。

瑠璃子の展覧会で出会います。

やがて二人は男と女の関係になります。

一方夫の聡も大学時代の後輩であるしほと同じような関係になるのですが。

まあ妻も夫も不倫しているという話ですね。

それをこの作者独特のアンニュイな文体でさらりと美しく書いています。

「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」

瑠璃子が春夫に言うセリフです。

「あなたが美也子さんに嘘をつくように。私が聡に嘘をつくように」

なるほど、なかなかするどいセリフであります。

さすが江國香織。(笑)

ダブル不倫もこの作者の手にかかれば実にロマンチック。

和製ハーレクインといったところでしょうか。

しかしやってることといえば男と女アレしかないわけで、瑠璃子は春夫と週の半分以上は逢ってやりまくってるというとんでもない話です。

読むほうはおそらくタレントのような美男と美女を想像して読むのでしょうが(映画化もされます)、それを例えば耳にタバコをはさんだパンチパーマに作業着姿のオッサンと化粧気のない頭ボサボサ年中ジャージ姿のオバハンに置き換えるとどうでしょう。

「おまえらアホか」っちゅう話ですわな。(笑)

それをいうと身も蓋もありませんが。

ま、冗談はおいときまして。

スイートリトルライズ=甘く小さな嘘。

なかなか江國香織の雰囲気を楽しめる一冊だと思います。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 20:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 『え』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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