2010年04月08日

「夏の炎」梁石日

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主人公の宋義哲は在日朝鮮人。

朴正煕軍事独裁政権に反対する「韓青協」に身を置いています。

南北共同声明に同胞たちは狂喜しますが、やや冷めた目で分析する宋義哲。

そして金大中拉致事件をきっかけに宋義哲の中に眠っていたテロルの血が目覚めるのです。

自分の手で朴正煕を暗殺してやるんだと。

仲間の協力もあり、交番を襲撃して手に入れた警察官の拳銃で朴正煕の暗殺を実行しようとする宋義哲。

それまではいろいろと苦労がありましたが、いよいよ韓国入りし、演壇に立つ朴正煕に狙いを定めます。

暗殺はなったのか・・。

主人公が在日朝鮮人という立場でこの作品は書かれています。

これは作者にとっていつもの設定ですが。

純粋に朝鮮人でもない、そして日本人でもないというジレンマを抱えた在日朝鮮人。

しかし主人公の祖国に対する愛情は並々ならぬものがあり、また生真面目な性格でもあります。

だからこその思いがあり、テロの道を選択するんですね。

彼には妻もいますし幼い二人の子供もいます。

テロに向かう日はそんな子供の顔を見ることもせず、もちろん妻には嘘をつき、韓国に出発するのです。

彼の想いは純粋すぎます。

その純粋な想いが起こした行動は、はたしてどれほど歴史を変えることができたのでしょう・・。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 『や』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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