2010年05月12日

「春雨酒場」源氏鶏太

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短編集です。

表題作は酒屋の店員が主人公。

この酒屋は店先で立ち飲みも経営しています。

主人公の勇吉はバーのホステスである茂子に惚れており、店の缶詰などをちょろまかして貢いだりしています。

ある日思い切って結婚を申し込むのですが、「バタ屋相手の大衆酒場の店員と結婚するほど落ちぶれていない」と言われ、カッときた勇吉は出刃包丁を持って茂子のもとに走ります。

しかし男と女どこでどうなるやら、なんやかんやといい具合に収まるようで・・。

どれもユーモアのある朗らかな雰囲気の小説です。

赤川次郎的な雰囲気もありますね。

(といってももちろんこちらのほうが大先輩ですが)

「殴られた男」や「正々堂々」、「ある転勤」のシニカルな結末。

「共存共栄」の日常→非日常→日常といった、ほっとするような展開。

「大財閥」などはややミステリーな雰囲気を持つ小説です。

松本清張なんかがこのテーマで書くともっと重く人間を掘り下げた話になるでしょうね。

そうはならないところがこの作家の持ち味なのでしょう。

初めてこの作家の本を読んだのですが、なかなかいいですね。

またぼちぼちと他の作品も読んでいきたいと思います。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 『け』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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