2010年06月04日

「鳳仙花」中上健次

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中上健次の作品には秋幸三部作と呼ばれているものがあります。

芥川賞受賞の「岬」、そして「枯木灘」「地の果て 至上の時」

これが中上文学の柱となっているように思いますが、今回読んだ「鳳仙花」はその秋幸の母フサの物語です。

フサ十五歳から物語りは始まります。

七人兄妹の末っ子ですが、フサだけは父親が違います。

奉公に出、仲の良かったすぐ上の兄吉弘を亡くし、勝一郎と結婚。

その勝一郎も病死。

五人の子供を抱え、行商で生活をまかなう毎日です。

しかし貧しい生活ゆえ、熱を出した下の子の泰造になにもしてあげることができず亡くしてしまいます。

そんなときに出会ったのが浜村龍造。

間にできた子供が秋幸です。

この秋幸と龍造が後の三部作につながっていきます。

作品としてはこの「鳳仙花」は三部作の後に書かれたものですが。

何人もの子供を抱え、いろんな男に振り回されながら生きる過酷な女の半生を見事に描いています。

こうなるとまた改めて「岬」から読み返したくなりますね。

やはり中上健次はすごい作家です。

文学の力というものをひしひしと感じました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 07:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 『な』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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