2010年06月05日

「カラフル」森絵都

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生前に犯した罪により、あの世で輪廻のサイクルからはずされた「ぼく」。

しかし抽選に当たり、再挑戦のチャンスが与えられます。

前世の記憶がない「ぼく」に与えられたチャンスとは、下界に降りて自殺を図った中学3年生の小林真の体に乗り移り生活すること。

そのあいだに前世の記憶を取り戻し、犯した過ちの大きさを自覚することができれば輪廻のサイクルに復帰できるというもの。

プラプラというガイド役の天使に付き添われ、小林真としての生活が始まるのですが・・・・。

真の家族はいろいろと問題を抱えていました。

クビになった上司の代わりに出世して自分さえよければという大喜びの父親、不倫している母親、無神経で嫌味ばかり言う兄、片思いの女の子は援助交際・・・・。

そんな周りにうんざりして殻に篭っていた「ぼく」ですが、だんだんといろんなことが見えてきます。

「たった一色だと思っていたものがよく見るとじつにいろんな色を秘めていた」というように。

みんないろんな色を持っているということに気付くんですね。

きれいな色も汚い色も。

思い込みが誤解だったということも。

真を想ってくれている女の子がいたことも。

小林真はなにも見えていなかった。

早まり過ぎたんですね。

そして「ぼく」は生前自分が犯した罪とはなんだったのかということに気付きます・・・・。

作者の森絵都氏はずっと児童文学を書いてこられたようで、数々の賞を受賞しておられます。

この作品も第46回産経児童出版文化賞を受賞。

(2006年には「風に舞いあがるビニールシート」で第135回直木賞受賞)

中学3年生を主人公にしたこの作品は大人が読むには気恥ずかしくもありますが、いい小説なのは確かです。

爽やかな感動がありました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 19:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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