2010年06月13日

「裸」大道珠貴

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作者のデビュー作です。

短編三作収録。

表題作の「裸」は田舎のバーで働く十九歳の女性が主人公。

同じ店には叔母や従姉も働いています。

店で鼻の下を伸ばした男の相手をしたり、家庭では母や祖母の相手をしたり。

「スッポン」の主人公は三十代前半の女性。

お茶屋でアルバイトをしています。

やたら体をすり寄せてくる店長、二人のおばさんパートがいる店での毎日。

「ゆううつな苺」は中学三年生の女の子が主人公。

学校ではちょっと仲間はずれ的な存在です。

どの作品もこれといってストーリーを説明しづらい内容ですね。

日常を淡々と描いており、共通しているのは主人公の冷めた目です。

「裸」では客の男に対してはもちろん、周りの身内の女性に対して。

「スッポン」でも店長に対してそうですし、二人のおばさんに対しても。

「ゆううつな苺」でも他の生徒とは特に打ち解けようとはしません。

ただ英語の先生にだけちょっと心を許すのですが。

どれにも共通するこのちょっと他人や世間を突き放したような感覚を、読者がどのように受け止めるかといったところでしょう。

「作者の実力は感じるが、あと一歩突き抜けたものが欲しい。もう一作見てみたいと思う」
(文学賞選評風 笑)

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 18:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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