2010年07月09日

「夜のピクニック」恩田陸

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この作者には「六番目の小夜子」という駄作で思いっきり肩透かしを食らわされた経験があり(笑)、今回は読者大賞と吉川英治文学新人賞を受賞したこの作品を読んでみました。

主人公の西脇融と甲田貴子が通う北高には、朝の8時から翌朝の8時まで歩く「歩行祭」というイベントがあります。

3年生の二人にとっては高校生活最後のイベントです。

そんなイベントに貴子はある賭けをして参加するのです。

実は融と貴子は異母きょうだいです。

融の父親が浮気してできた子供が貴子。

そんな周りの人間を残して父はすでに他界しています。

当然融の家族と貴子の家族は気まずくぎくしゃくするわけで、同じ高校、3年生になって同じクラスになった二人はまともに口も利きません。

貴子の賭けとはこの歩行祭のあいだに融と一言でもしゃべること。

それが実行できたときには・・・・。

ひたすら主人公やその友達が歩き続ける中でストーリーが進んでいきます。

その内容はやはり青臭いものではあります。

夜中も全校生徒で歩き続けるというイベントには非現実感があり、その中ではみんな浮かれたようになるのですね。

誰のことが好きとか、付き合ってるのとか、告白するのだとか。

修学旅行の夜なんかそのような話題で盛り上がった経験を誰もが持っているのではないでしょうか。

そんなイベントに上手く主人公のエピソードを絡めていると思います。

歩行祭の進行状況と主人公たちの進展具合を巧妙に合わせているのですね。

真夜中から明け方、そしてゴールにかけての合わせ具合はまさしくです。

でも主人公たちも作中で語っているように、今後どうなんだということなんですけどね。

『何かの終わりは、いつだって何かの始まりなのだ』

なんだかバカボンのパパのようなセリフですが(笑)、わかっているのならそれでよろしい。

ところで妊娠問題はどうなった?

撒いたネタにはちゃんと決着つけてくれませんと。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 14:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 『お』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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