主人公の京子は二十歳。
就職を機にあるアパートに引っ越してきます。
近所の一軒家におばあさんが住んでいるのですが、そのおばあさんこと万寿子さんが曲者で。(笑)
最初は京子もいけすかないおばあさんだと思います。
出勤のとき庭の手入れをしている万寿子さんと顔を合わせると「寄り目」だの「ブス」だの言われます。
ある夜、酔っぱらって帰ってきたとき、思わず万寿子さんの家の前で戻してしまう京子。
翌朝顔を合わせて詫びます。
その後、出勤のため駅に向かうのですが、どうも駅や電車内で周りの様子がおかしい。
思いつつ、電車を降り会社に向かう京子。
途中で同僚のチヨちゃんに背中の貼紙を指摘されます。
「この人は昨晩酔っ払って、わたしの家の前で反吐を吐きました・・・・」云々の内容です。
絶句する京子。
こんなのを背中に貼り付けてここまで出勤してきたのかと。
万寿子さんの仕業です。
いったいあのババアはなんなのだと。
その後も何度か顔を合わせ、ムカッとくるのですがどうも憎めない。
やがて京子と万寿子さんの友情が芽生え始めるのです・・・・。
五十歳以上も歳の離れた女性二人の友情がほのぼのと描かれています。
二人で旅行に出かけたり、お互いの哀しい過去を打ち明けあったり。
それを軸に京子と同期入社の荻野くん、近所のアパートに住む山本さんといった男性との恋愛が絡みます。
ほろっとさせられるところもあり、ラストの着地点も無難でしたかね。
心が洗われました。(笑)
ラベル:小説