2010年11月23日

「雨やどり」半村良

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新宿を舞台にした連作短編集。

登場人物は仙田というバーテンダーを始めとした水商売の人間たち。

表題作の「雨やどり」は仙田が主人公です。

雇われのバーテンダーだった仙田がようやく自分の店を持ち、狭いながらもマンションを購入します。

新宿の仲間たちが祝いに駆けつけたりしてくれました。

それから半年後の朝。

仙田がマンションの一階郵便受けから抜いた新聞を拡げていると、突如降ってきた雨にある女が雨やどりに飛び込んできます。

<綱木>というバーのホステス、邦子でした。

仙田はまだしばらく止みそうにないからと、邦子を部屋に上げます。

これがきっかけとなり、仙田と邦子は親しい関係になります。

ずっと独身を続けていた仙田でしたが、いよいよ邦子を相手に結婚を考えます。

仲間たちの間でもほぼ公認となるのですが、実は邦子はわけありの女でした・・・・。

「雨やどり」というタイトルがラストに侘しく生きてきます。

その他、古き良き新宿を守ろうと皆が団結する「昔ごっこ」など。

どれも人情小説です。

作者の半村良といえば伝奇SFの作家というイメージが強いですが、このような人情小説も書いておられます。

この「雨やどり」で直木賞を受賞しておられるんですね。

味わい深い一冊でした。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 17:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 『は』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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