妻を亡くした長峰重樹は高校生の娘絵摩と二人暮らし。
ある花火大会の日、友人と見物に出かけた絵摩は深夜になっても帰宅しません。
なにがあったのか。
長峰は警察に届けを出しますが、数日後近くの川に流れている絵摩の遺体が発見されます。
未成年の少年たちに犯され、殺されたのです。
何の罪もない娘が少年たちの性の玩具にされ命を奪われたのです。
生きがいを奪われた長峰は狂乱し、自らの手での復讐を誓います・・・・。
法律とは何か、少年法とはなんなのか、警察や裁判はいったい何を裁いているのか・・・・。
そんなテーマが流れています。
人の命を奪っておきながら少年法という法律で守られ、顔も公開されなければ名前も公開されない。
たった数年でまた世間に復帰してくる。
少年法というのは罪を裁くための法律ではなく、世間から犯罪者を守るための法律ではないのか。
誰もが感じたことのあるそんな疑問。
賛否両論あって難しい問題ですね。
この小説の主人公は自らの手で復讐するという手段を選ぶわけですが、現実にはなかなかできることではないでしょう。
さてどのような結末が待っているのかということですが・・・・。
カタルシスということではいまいちすっきりしませんでしたね。
これが西村寿行なんかだと痛快に晴らしてくれるんでしょうけど。(笑)
しかしじゅうぶん読み応えのある小説でした。
ラベル:小説