シリーズ第6弾です。
表題作は「新妻」。
大坂からの帰り、宿に泊まった大治郎が同姓同名の人物と間違われ呼び出しを受け襲撃されます。
鳥居小四郎という偽名で同じ宿に泊まっているその侍の部屋を訪れ事情を聞いた大治郎は、彼と江戸まで同行することにします。
なぜ小四郎は命を狙われているのか。
千二百両もの公金を我が物とした家老がその罪を勘定方の小四郎こと秋山大次郎に着せ、有無をいわせず殺害してしまおうとしているのです。
そして死を決して身の潔白を公儀へ訴えるべく江戸へ向かう夫をはげますため、三月ほど前に娶った新妻が自害しているのです。
そのような事情を知った大治郎の双眸に激しい怒りがふきあがり、道中で襲い掛かる連中から小四郎を守り通します・・・・。
この巻ではいよいよ大治郎と三冬が結婚します。
「品川お匙屋敷」の章にて、三冬が密貿易に絡む事件に巻き込まれ誘拐されます。
三冬が監禁されている屋敷に乗り込んだ大治郎は、「このときほど激しい怒りに震い立ったことはなかった」というほど闘い、三冬を救出するのです。
非常な喜びを示したのが三冬の父である老中・田沼意次。
三冬と秋山親子を屋敷へ招き、「三冬めを妻に迎えていただけぬか」と。
大治郎も三冬も真っ赤になって俯いています。
そこで秋山小兵衛。
「ばかもの。ありがたく、お受けをせぬか」と大喝。(笑)
めでたく夫婦となったのでした。
そんな一件がありましたから、「新妻」においての大治郎の怒りというものが並々ならぬものであったわけですね。
ますます小兵衛に似てきた大治郎。
そして大治郎の妻となった三冬の女としての目覚め。(これがけっこうエロチックなんです 笑)
いやあ、楽しみなシリーズです。
ラベル:時代小説