主人公の季蔵は日本橋の「塩梅屋」の料理人。
ある日、「塩梅屋」主人の長次郎が殺されます。
明らかに他殺であろう事件ですが、奉行所は自殺として済ませようとします。
納得のいかない季蔵と長次郎の娘のおき玖は下手人を追います・・・・。
その他、元長崎奉行の嫡男に陥れられようとしたり。
まあなんやかんやと主人公が事件に巻きこまれながらもそれを解決していくという内容です。
しかしなぁ。
事件の解決があっけなくなんの面白みもありません。
なので捕物帖としていまいちです。
じゃあ料理小説としてどうなのかといいますと特に料理が魅力的に描かれているわけでもなく、別に主人公が料理人である必要はないのでは。
どうしても高田郁の「みをつくし料理帖」シリーズと比べてしまいます。(同じハルキ文庫ですし 笑)
主人公が表向き商売人で実は違う顔を持つ(この巻ではまだそこまでいってませんが)ということでは山本一力の「損料屋喜八郎」シリーズがありますけども、それとも比べてしまうのです。
そうなるとこの作品がどうしても薄っぺらく感じてしまうのですね。
主人公の魅力、脇役の味、物語の深み、料理の魅力の無さ・・・・。
しかしシリーズとして長く続いていますので、今後面白くなっていくのでしょうか。
すでに購入済みですので(笑)これからに期待します。