無職で毎日ぶらぶらしている主人公。
妻にも愛想を尽かされ出ていかれました。
当然部屋の中は散らかり放題なのですが、そんな中になぜか大黒様の置物があります。
バランスが悪くしょっちゅう倒れるそれに主人公はむかつきを覚え、「大黒をすててこます」と決意するのですが・・・・。
なんともまあ馬鹿馬鹿しい小説です。
たかが大黒様の置物を捨てるということでよくもまあここまで話を転がせるものだなと。
これがまた独特の文体で読ませるんですよねぇ。
むちゃくちゃに話を転がせているようで、でもおそらく(当然か)作者はしっかりとコントロールしておられるはず。
決して思い付きを並べているわけではないでしょう。
最後は「自分は豆屋になろうと考えた」って、あんた・・・・。
併録されている「河原のアパラ」もいやはや。
実に面白い一冊です。
裏表紙に書かれているように、まさに「鮮烈のデビュー作」ですね。
賛否両論あると思いますが、私は支持します。
ラベル:小説