漫画家、つげ義春のエッセイ集です。
ざっくり分けまして、旅日記、夢日記、回想記、そしてイラストという構成です。
日記は昭和40年代から60年代にかけてのもの。
正直言いましてそれら日記はそれほどピリッときません。
夢日記なんかはやはりシュールで、これはいくら文章で表現しても本人にしかそのニュアンスはわからないだろうなぁと思います。
しかしさすがに漫画家。
イラストも添えておられますので、読者としてはある程度具体的なイメージを掴むことができます。
そして圧巻はやはり巻末のイラストですね。
ほとんどスクリーントーンを使わずに描かれた精緻なペン画が素晴らしい。
ガロ系列の漫画家は一般受けしませんけども、味わい深さという点ではメジャー商業誌漫画家の比ではありません。
マンガというジャンルにおいてどちらが上とか下とかではないんですけども。
久しぶりにつげ作品を読みたくなりました。
ラベル:エッセイ