屋根付きの橋を撮るためマディソン郡を訪れた写真家のロバート・キンケイド。
道を尋ねるために立ち寄った農家にいたのはフランチェスカ・ジョンソンという主婦でした。
ロバートは52歳、フランチェスカは45歳。
二人は運命的な出会いを感じます。
写真撮影のためロバートがこの町に滞在した4日間。
二人は今後の人生で二度と巡り合わないような愛で結ばれます。
しかしロバートは独身ですが、フランチェスカは夫も子供もいる身分です。
いくらロバートに運命の愛を感じたからといって、夫や子供を犠牲にするわけにはいきません。
今の生活を投げ出してでもロバートについていきたい。
しかし家族のことを思うとそれはできませんでした。
ロバートもそんな彼女の心中を理解し、町を出ていきます。
その後、滞在中に撮ったフランチェスカの写真と手紙を送ったきり、フランチェスカに気遣ったロバートは二度と彼女に連絡することはありませんでした。
ですがロバートはずっとフランチェスカのことを想い続け、フランチェスカもまたロバートのことを忘れることはなかったのです・・・・。
そのような話をフランチェスカの亡きあと二人の子供たちが(といってももちろん成人しています)語り手にこの話を持ち込み、興味を持った語り手が物語としてまとめたという形式です。
いやぁ、泣けましたねぇ。
涙ポロポロ鼻水ズルズル。(笑)
たった4日間だけの恋をその後何十年も持ち続けた二人。
あまりにも純粋で、切なくて、哀しくて、もうたまりませんでした。
素直に感動しました。
しかし。
このような小説には必ず批判があります。
いわゆる不倫小説なわけで、純愛だのなんだのいってるのは当事者だけでありまして、例えばフランチェスカの旦那からしたら留守中に浮気されていい面の皮なわけですよね。
なにが純愛だと。
真っ当な意見です。
どこに視点を置くか、誰の目線で話を追うか、ということですね。
まあここはひねくれずに男性ならロバート、女性ならフランチェスカに感情移入して読みましょうよ。(笑)
感動必至です。
実にいい小説でした。