2013年04月24日

「苦役列車」西村賢太

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北町貫多は19歳。

冷凍倉庫で日雇いの仕事をしています。

気が向けば仕事にいって金を稼ぎ、金が無くなればまた日雇いに出かける。

だらだらとした毎日です。

彼女もおらず友達もおらず、そんな貫多にも日雇い先で友達ができるのですが・・・・。

芥川賞を受賞し、私小説が見直された(?)作品です。

併録されている「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」はその続編といえます。

北町貫多というのはもちろん作者の西村賢太をもじっているわけで。

どこまでが本当かどうかはわかりませんが、たしかに今どきこの生活と投げやりぶりはすごい。

そしてこの自己中心的な考えと小心ぶり、それをしっかりと晒し出すあたりは潔い。

面白い作家さんが出てこられたなぁとは思います。

でも「暗渠の宿」の感想にも書いたのですが、やはりどうしても車谷長吉中上健次、といった作家と比較してしまうんですよね。

あるいは柳美里とか。

そうなると、なんといいますか人間の業だとか持って生まれた血だとか、そのようなものが無い。

それらの有無で小説を判断するべきではないでしょうが、どうしても底の浅さを感じてしまいます。

若者の単なる怠惰な話で終ってしまっていると思うのです。

わがままを振りかざしてるだけやん、と。

「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」はまだそのあたりの足掻きがありますけども。

町田康なんかはこういうのを上手く昇華させておられるんですよね。

この持ち味を活かしてなにかこう、強烈な作品を発表していただきたいものです。

期待しています。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 『に』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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