作家による食エッセイです。
海軍時代の食べ物の話、向田邦子氏と美味についての対談をした3ヵ月後、向田氏が飛行機事故で帰らぬ人となった話。
斎藤茂吉や志賀直哉などといった文士との交流も出てきます。
それにしても作家にはグルメな人が多いですね。
というか、文章を書く仕事をしているからそういうことを書いて発表する機会が多いということでしょうか。
年配の作家が書かれる食エッセイはさすがに戦中戦後の食べ物がなかった時代の話がよく出てきまして、それだけに食べ物についてのこだわりがなんだか若い人たちと根本から違うような気がします。
食べ物に敬意を持っておられますし、食事にしてもなんだかんだ言いつつ「美味しい白米が食べられればもうそれだけで・・・・」といった『芯』を持っておられます。
やはりそのような『芯』のある人の食エッセイは浮ついていなくていいですね。
巻末には娘の阿川佐和子氏との対談も収録されています。
ラベル:グルメ本