2013年06月23日

「津軽百年食堂」森沢明夫

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明治時代の津軽から物語は始まります。

屋台から出発して食堂を開店することになった賢治。

津軽蕎麦の店です。

それから時代は流れ、話のメインとなるのは賢治から数えて4代目にあたる陽一です。

津軽を離れ、東京でピエロの格好をしてバルーンアートのアルバイトで生計を立てている陽一は28歳。

父に頭を下げてもらって就職した中華料理屋を喧嘩して辞め、それ以来父に対して気まずい思いを持っています。

そんな陽一に同郷の七海というフォトグラファー志望の彼女ができます。

父の交通事故による怪我で帰省した陽一は食堂を継ぐことを考えるのですが、そうなると東京でフォトグラファーになることを夢見ている七海とは一緒にいられません。

老いた父、食堂の跡継ぎ、七海との将来。

いまだにフリーターのような自分。

陽一は悩みながらどのような道を選ぶのか・・・・。

とても素朴で純粋で、心温まる物語です。

章ごとに複数の登場人物の一人称で書かれているのですが、時の流れの縦軸はいいとしても現在の横軸はちょっと散漫になったかなという印象。

でもそれはそれで主人公1人の一人称では書けない心理も書けたりするわけですが。

ただ最後はやはり陽一の一人称で締めてほしかったなぁ。

曽祖母、母の目線が続いてそれで終わり。

メインの陽一の印象が薄くなってしまいました。

しかし読み終わって「ああ、いい小説だったな」という満足感はありました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 17:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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