2013年08月28日

「ふがいない僕は空を見た」窪美澄

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連作短編集です。

5編収録されているのですが、いちばん最初の「ミクマリ」がR-18文学賞受賞のデビュー作です。

斎藤くんは高校1年生。

12歳年上の主婦、あんずと彼女のマンションで週1~2回セックスする関係を続けています。

しかもアニメキャラのコスプレで。

同じ高校の松永という女の子に告白され、斎藤くんはあんずと別れることにするのですが・・・・。

次の「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」では、あんずの視点から描かれています。

あんずはマザコンの夫と暮らしているのですが、子供ができません。

姑からは執拗に子供を作れとせがまれ、不妊治療を受けながら息苦しい思いをしています。

ある日夫と姑からパソコンで動画を見せられます。

あんずの様子がおかしいことに気付いた夫が部屋に隠しカメラを取り付け、斎藤くんとのセックスを隠し撮りしていたのです。

あんずは離婚を申し出ますが、夫は頑なに別れないといいます。

そしてひたすら不妊治療を続けることになります・・・・。

次の「2035年のオーガズム」では松永の視点になり・・・・というふうに話が続いていきます。

登場する人物たちは皆大きな穴を抱えているようです。

大事なものがぽっかりと抜け落ちているような喪失感、そして悩み。

しかしそんな中で傷付きながらもせいいっぱい生きているヒリつくような躍動感もあります。

作者はデビュー作を含むこの作品集で山本周五郎賞を受賞。

確かに繊細な感性と実力を感じました。

いい一冊だったと思います。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:26| Comment(1) | TrackBack(0) | 『く』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
突然のコメント、失礼いたします。

初めまして。
書評コミュニティサイト「本が好き!」を運営しております、高橋と申します。

ただ今、たろちゃんさんの書評を楽しく拝読させていただきました。
特に「ふがいない僕は空を見た」は私のお気に入りの一冊でもあります。
"傷付きながらもせいいっぱい生きているヒリつくような躍動感"という表現が素敵だなと思い、共感させていただきました!

話がそれてしまいましたが、
今回は、ぜひ私どものサイトにも書評を投稿していただきたい!!
と思いコメントをいたしました。

「本が好き!」には10万件以上(7割は400字以上の長文)の書評が投稿されております。
文学からビジネス、洋書までジャンルも様々です。
そして書評家さんの間の交流も盛んです。

私どものサイトを通じて、たろちゃんさんに、
趣味の合う方や思いもよらない素敵な本との出会いを提供させていただくことができたらと思っております。
お時間のあるときで構いませんので、一度サイトの方にお越しいただけると幸いです。

不明な点などありましたらお気軽にご連絡ください。
よろしくお願いいたします。

【URL】
http://www.honzuki.jp/sp/2011/honzukilp/index.html
【連絡先】
info@honzuki.jp
Posted by 高橋 at 2014年08月25日 13:11
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