2013年11月10日

「途方にくれて」立松和平

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短編5編収録。

表題作が立松和平のデビュー作といってもいいですかね。

他の4編はすべて病を抱えて先のない母親について書かれていますが、表題作は外国を旅して金をパクられた主人公がポケットに残っていた金でどうにか沖縄にたどり着き、そこでなんとか仕事にありついての生活が描かれています。

船で知り合った“ヒゲ”と飲み屋に雇ってもらい、店の女と同棲し、客のアメリカ兵たちと喧嘩の毎日です・・・・。

20年以上前に読んだきりなので、内容はさっぱり忘れていました。

なので新鮮な気分で読むことができましたし、やはり立松和平はいいなぁと思えました。

しっかりと生活感を感じます。

世間にとっては何者でもない一個人ですが、しかし生活があり人生がある。

そんな中でいろいろと問題を抱え、毎日を過ごしていく。

みっちりした文体でコツコツと書かれたそれはエンターテイメントではありませんが、実に味わい深い。

いい作品集です。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 『た』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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