シリーズ第二弾です。
連作短編集。
新太郎と尚平は深川の駕籠舁きです。
表題作の「お神酒徳利」では尚平の想い人であるおゆきがかどわかしに遭います。
貸元の親分・芳三郎に相談し、新太郎と尚平はおゆきを助けるために動きます・・・・。
新太郎と尚平の友情がいい。
そして芳三郎の漢気。
本書では新太郎を気遣いおゆきとの仲をまったく進めようとしない尚平に、新太郎がもどかしさと申し訳なさを感じる姿が描かれています。
「紅蓮退治」では二人のために願を掛けたり。
しかし「紺がすり」ではそんな新太郎にも気になる女性があらわれます。
木兵衛棚に住むさくらです。
これは今後ちょっと楽しみになってきました。
ただ、ひとつの話の中にいろんなエピソードが詰め込まれているのですが、ちょっとぞんざいな印象を受けました。
エピソードに対してフォローがないというか。
例えば「紅蓮退治」で最初のほうに産気付いた女性に二人が関わるエピソードがあるのですが、そのあとは火事に話がいってその女性のことはどこへやら。
エピソードすべてにいちいちオチを付ける必要はないかもしれませんけども。
私個人としてはそこに話を戻してフォローしてほしかった。(笑)
シリーズ第二段ということで登場人物のキャラや設定も定着してきました。
尚平とおゆき、新太郎とさくらの関係。
芳三郎や木兵衛といった味のある脇役。
それらの設定をベースに今後どのような話を読ませてくださるのでしょう。
楽しみにしています。
ラベル:時代小説