2014年02月23日

「デンデラ」佐藤友哉

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北国の雪深いその村は70歳になると『お山参り』をするのが決まりごとでした。

早い話が『姥捨て』です。

斎藤カユも息子に連れられ『お参り場』に連れてこられました。

あとは極楽浄土に旅立つだけです。

雪の積もった『お参り場』でひたすら極楽浄土への旅立ちを祈った斎藤カユですが、意識が遠ざかるとき老婆の声を聞きました。

目が覚めたのは極楽浄土ではなく現実です。

見覚えのある老婆たちがいます。

そこは『デンデラ』と呼ばれる『お山参り』で生き残った老婆たちが作り上げた集落でした。

自分たちを捨てた『村』に復讐しようと企てている襲撃派の老婆たち。

その反対の穏健派の老婆たち。

そんな彼女たちで成り立っている集落に助けられた斎藤カユですが、どちらにも属しません。

やがてその『デンデラ』を羆が襲います。

生活を守るため老婆たちは羆と対決するのですが・・・・。

姥捨て山というモチーフをベースに、しかしその先の世界があるんだという話です。

捨てられた老婆たちだけで自分たちの理想郷を創ろうとしている。

しかし目の前の現実はかなり厳しい。

雪に囲まれた世界で食糧はカツカツです。

そんな状況に羆の襲来。

ですます調の敬体で書かれた文章は柔らかく淡々として客観的ですが、描かれている内容は壮絶です。

老婆たちと羆の死闘は凄まじ過ぎます。

それにしても達者な50人の老婆たち。

現実の芸能界では『モーニング娘。』やら『AKB48』やらといった若い女性のグループが世間を賑わせましたが、それを老婆に置き換えたような設定でもあります。

女は強し・・・・。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 『さ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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