2014年04月22日

「勘違いしそうに青い空」冨士本由紀

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主人公の栗田匡は47歳。

元は大手建設会社のサラリーマンでしたが現在は無職。

そして鬱病。

20歳以上も年下の都詩という美人な彼女がおり、ほとんど彼女に養ってもらっているような生活です。

そんな匡のところに10年以上前に付き合っていた元カノが入院している精神科から手紙が届きます。

彼女の入院費を支払ってくださいと。

ずっと無視していたもののなぜかふらりと見舞いに行き、よりを戻してしまいます。

もちろん都詩には内緒で。

あげくのはては都詩の母親(といっても42歳で匡より若いのですが)にまで手を出してしまいます。

そんな節操のないダメ男の行く末は・・・・。

主人公の視点からわりと飄々とした感じで書かれているのですが、けっこう内容はシビアです。

ダメ男な小説といえば町田康や西村賢太を思い浮かべたりもしますが、それらの作品はけっこう笑えます。

町田康なんかは突き放してますし、西村賢太は言動がギャグです。

しかしこの作品はそのどちらでもない。

笑えません。

いい加減で好き放題やってきたツケがあとになってじわじわと真綿で首を絞めるがごとくやってきます。

でもいいヤツではあるんですけどね。

だらしないけど悪人じゃない。

お金がないのに元カノに救いの手を差し伸べてあげたりする。

逆境の中でも精一杯生きています。

後半はそんな主人公に雑踏の中の孤独といいますか、陽射しの中の寂しさといいますか、そのようなものを感じましたね。

自分の人生には自分で責任を取り現実を受け入れる。

ダメ男ではありますがそんな潔さもあり、私は憎めなく思いました。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ふ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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