著者は「ミーツ・リージョナル」の元編集長。
この「ミーツ・リージョナル」という関西ローカルの雑誌、細かで地元密着な情報は他の情報誌に比べて抜きん出ています。
カタログ的な一般の情報誌に比べ、店の懐に入り込んだような記事を紹介されるのです。
淡々と店を紹介するのではなく、もう一歩踏みこんで店を楽しもう、店の人を楽しもう、そんな店がある街を楽しもうという姿勢なんですね。
そのような雑誌を育てた著者の功績は大きい。
そんな著者が街について語っておられます。
読みましておっしゃることごもっともで、主張はよくわかります。
ですが他の著書も読みまして以前から思いますのが、オヤジの愚痴っぽいんですよね。(笑)
「おまえらなんもわかっとらんな。なんも街の楽しみ方をわかっとらん」という、でも俺はわかっとるんや目線。
そして堅苦しい言い回しを使った文章。
『カテゴライズされた了解事項の範囲内』、『スパイラル的な構造を下支え』、『表現としての変数群がむちゃくちゃに倒錯した場の総体』などなど。
街やお好み焼き屋を語るのも新書となるとなかなか学術的です。(笑)
「お好み焼き屋は街の学校だ」というのもなるほどと思いますが、「まあそんな興奮せんとビールでも飲んで豚玉食べなはれ」と肩をたたいてあげたくなります。
ラベル:グルメ本