雑誌編集者の榊隆生がフランスフードフェアで出会ったのはまるで少年のような星川隼人。
しかし隼人はパリの三つ星レストランでソーシエを務めたほどの一流シェフ。
隆生は料理に一途な隼人に惹かれていきます。
また隼人も隆生を・・・・。
ついにBL小説に手を出してしまいました。(笑)
といいましてもその世界には興味ありません。
あくまでもグルメ小説ということで手にしたわけですが。
ですがまあついでにBLの世界とはどんなものかと。
料理に関しましては思いのほか突っ込んで書いておられると思います。
上辺だけをなぞっているという印象はなく、グルメ小説として耐える土台があると思いました。
ただ店の説明で「小さなビストロ」とあるのに「四人がけのテーブルが二十程」ってどこが小さいんだか。
あるいは隼人のアパートが「十五帖ほどの小さなワンルーム」とありますが、ワンルームで十五帖ならぜんぜん小さくないでしょう。
ちょっと作者の広さの感覚が一般とは違うようで。(笑)
メインはやはり隆生と隼人の恋愛なわけですが、さすがに男性でノンケの私からすれば「それありき」で書かれている話運びにむず痒い気がしました。
女性からみた美しい男性愛ですよね。
でも大雑把に言えば、少女マンガや少女小説の男と女を単純に男同士に置き換えたという構造です。
しかしこういうジャンルの読者はほとんど女性ですが、いったいなにを求めているのでしょう。
エロい描写もありますのでオナニーのネタなんでしょうか。
男女の恋愛話には飽きたということなんでしょうか。
でも本屋でこのジャンルのコーナーで本を物色しておられる女性ってまず現実の恋愛には縁がないような人がほとんどですけどね。(と私は思います)
男性のオタクといわれる人たちが美少女モノに群がるようなものなんですかね。
ま、それはともかくとしまして、男同士の恋愛とセックスという設定が許容できればそれはそれで楽しめる一冊(ジャンル)ではないでしょうか。