3編収録。
表題作は実在した2人の男を紹介した小説ですが、周りの人たちに取材した声を原稿に起こしたインタビュー形式です。
灘という土地において伝説的人物である濱田長蔵氏と濱中重太郎氏。
そんな2人の傑物ぶりをいろんな人が語るエピソードで浮かび上がらせていきます。
作者が灘の男のスケールの大きな生き様に憧憬と敬意を抱いておられるのが感じられます。
他の2編も同じ形式です。
これはこれで面白く読めましたが、やはり私は「糞ッ、と思うた」といった類の(笑)普通形式の小説が車谷長吉らしくていいですね。
解説には車谷氏の昔のエピソードが書かれています。
ラベル:小説