小説家の詠子はバイセクシュアルです。
男性も女性もいけるというやつですね。
透と秀美という恋人がいたのですが、どちらとも別れることになります。
しかし透は詠子に未練があり、自宅の前で待ち伏せして無理やり車に押し込もうとします。
それを救ったのが通りすがりの絵里花。
お嬢様風の美しい外見に詠子は惹かれ、友達としての付き合いが始まります。
詠子はもちろん体のお付き合いもOKなのですが、絵里花はそのようなものを異様に嫌う潔癖なノンセクシュアル。
男にも女にも興味がなく、恋愛感情を持たない人物なのです。
詠子にもそのような潔癖さを求め、だんだんと関わりが常軌を逸してきます・・・・。
ホラーにも心霊現象やらゾンビやらスプラッタやらいろいろとありますが、これはルナティックホラーです。
日常生活が精神異常者によって侵されていくという類ですね。
リアリティということではこれがいちばんでしょう。
ゾンビなんてのは完全にフィクションとしてうっちゃれますからね。
ちょっとアブナイ人物というのは現実に存在しますし、ストーカーなんてまさにその類です。
最近はそれがエスカレートした殺人事件なんてのもしょっちゅうです。
この作品も怖い話ではあるのですが、主人公のキャラが非常に軽い。
これがなんとも緊迫感の中に脱力系な味を効かせています。
なので詠子がかなりのところまで追い込まれるのですが、読後感はさほど重くありません。
夕子という詠子の友人がとぼけた味わいでその手伝いをしています。
しかしこのようなルナティックホラー、相手は男性よりも女性のほうが恐怖感が増します。
やはり女は怖いということでよろしいでしょうか。(笑)
ラベル:小説