吉祥寺の老舗書店ペガサス書房の閉鎖により、同じ吉祥寺に新規オープンした大型の新興堂書店に転職した西岡理子と小幡亜紀。
理子は店長という立場で、亜紀は文芸書の担当です。
亜紀が仕掛けた本が本屋大賞を受賞し、プレゼンテターにも選ばれます。
その授賞式で亜紀が倒れたとの知らせが現場に同席していた副店長の田代から理子に届きます。
慌てて駆けつけた理子ですが、その原因は亜紀の妊娠でした。
めでたい話ではあるのですが、文芸書の担当者として仕事が面白くなり名の知られた書店員になりつつある亜紀にとって、妊娠により現場から離れることに不安があります。
しかも漫画誌の編集長である夫や姑は子供が生まれれば母親はずっとそばにいてあげるべきという考え。
夫と衝突しつつ、しかもそんな中で夫の仕事にも大きなトラブルがあります・・・・。
この話がまずは前半の山ですね。
そして後半では産休に入る前に亜紀がフェアを仕掛けたいと言います。
新興堂書店が入居しているマルシェ吉祥寺の広場を使ってなにかできないかと。
ちょっとノリが軽いなと思う理子ですが、理子や亜紀と同じくペガサス書店を退職し現在は新興堂書店の近くの小さな書店に勤める尾崎と会います。
その尾崎の店が新興堂書店のせいで売り上げが落ちて閉店するというのです。
しかも尾崎は他の店に移ることなく書店員を辞めると。
心を痛める理子はそんな尾崎と書店員として最後に一緒に仕事をしたいと、亜紀の提案を膨らませてなんとか実現させようと動きます・・・・。
前作に引き続いて書店員という仕事を熱く描いていますね。
亜紀のエピソードにより女性の仕事と家庭というテーマも扱っておられます。
今回は田代という男性の副店長が登場し、理子の恋心もちらりと。
これは既婚者の亜紀と違って仕事に生きる独身女性の心の揺れです。
そんな味付けをしながら、イベントの成功に向かって話が進んでいく。
困難を乗り越えての主人公たちの活躍に、パターンだなと思いながらもしっかりと感動しました。(笑)
パート3もぜひ読みたいと思います。