書店を舞台にした連作短編集。
主人公は書店員で社員の杏子です。
いろんな客が問題を持ち込んできます。
杏子はアルバイトの多絵に手助けされながら、そんな事件を解決していきます・・・・。
表題作を含めて5編が収録されています。
ですが表題作がいちばん出来が悪い。
主人公の書店の店員が得意先の美容院に配達した月刊誌に、その店の常連マダムの盗撮写真が挟まれていたという内容です。
たまたまそれを手に取った常連マダムが激怒。
そんな事件を解決しようと杏子と多絵が動きます。
犯人は誰か、なんのために、という内容なわけですが、動機や方法の種あかしについてはかなり苦しい。
最後の「ディスプレイ・リプレイ」にしてもそうかな。
それはないやろと思います。
犯人の行動にリアリティがないんですよね。
小説はフィクションですからもちろんリアルではありません。
しかし読者を納得させるリアリティは必要。
作者が話をまとめるためにこしらえた展開がどれほど読者を納得させられるのか。
これをクリアしていませんと読者は消化不良をおこします。
そういう意味では不満がありました。
でもまあそれなりに楽しめましたし、続編も読んでいきたいと思います。