東京・四谷で高級フランス料理店「オテル・ドゥ・ミクニ」を経営する著者。
マスコミにもよく登場しておられます。
料理人歴も30年を過ぎ、過去に出会った“料理の神様”について語り、と同時に自分自身を語り、料理の真髄にふれていこうという試みです。
その“料理の神様”とはフレディ・ジラルデ、トロワグロ兄弟、ポール・エーベルラン、ジャン・ドラベーヌ、アラン・シャベルの5人。
著者がフランスに渡り師事したシェフたちです。
フランス料理に興味を持つ者なら誰もが知る錚々たる顔ぶれ。
当然のことながらそれぞれ料理に対して違った哲学を持っておられます。
その下で著者は影響を受けながら自身の感性を磨いていったのですね。
いろんな人たちから学び、自身の感性を加えて現在のミクニの料理がある。
この本はあまり著者の経歴がどうこうな内容ではありません。
つまり苦労した出世物語を読ませるという内容ではないということ。
神様たちの仕事に触れ、現在の自分の仕事、そして料理とはどうあるべきかが語られています。
著者の料理人としての信念と覚悟が感じられる一冊です。
ラベル:グルメ本