時代は2011年。
経済破綻した日本は失業者が溢れています。
そんな中、武装した北朝鮮のコマンド9人が九州に上陸。
彼らは北朝鮮の反乱軍を名乗り、試合中の福岡ドームを占拠します。
そして2時間後には500人の特殊部隊が複葉機で次々と到着。
福岡市の中心部を制圧します。
その後12万人の本隊も到着するというのです。
なすすべのない日本政府は福岡を封鎖。
事実上反乱軍の占領下となります・・・・。
退廃した日本を舞台にした近未来的な設定です。
もし北朝鮮が日本に攻め込んできたら。
それに対しての日本政府の愚かな対応、頼みの綱のアメリカの反応。
まさかとは思いますが、でもありえそうにも思われるのは作者の筆力でしょうか。
ドームが占拠されたときの観客たちの反応など、思いっきり日本の平和ボケを皮肉っていますしね。
反乱軍に対して立ち上がるのはアウトローな若者たちの集団です。
頼りにならない日本政府を尻目に、彼らは福岡そして日本を救うことができるのか・・・・。
私はむしろ北朝鮮軍に感情移入して読んだのですが、読み方としてはどうでしょうか。
毅然とした行動を取れずあたふたしている日本人よりも、ストイックで規律ある行動をする純朴な彼らに共感を覚えました。
しかし力作ですね。
上下巻あわせて1000ページを超え、改行が少なくみっちりと文字が埋まっています。
ですがほとんど苦にならず読めました。
若者たちのシーンがちょっとだるかったかな。
ただ登場人物がやたらに多く、さすがにそれぞれの人物は描ききれていませんでした。
まあ作者が登場人物すべてに責任を持つ必要もないでしょうけど。
読む価値ありの一冊だと思います。
ラベル:小説