2015年07月23日

「「黄金のバンタム」を破った男」百田尚樹

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ボクシング界に「黄金のバンタム」と呼ばれた男がいました。

ブラジルが生んだ史上最強のバンタム級チャンピオン、エデル・ジョフレです。

1960年代に活躍し、デビュー以来8年間無敵という強さを誇っていました。

その「黄金のバンタム」を破り、ベルトを手にしたのがこの本の主人公であるファイティング原田です。

まず日本ボクシングの夜明けということで、第一章は白井義男が登場します。

日本人初の世界チャンピオンです。

階級はフライ級。

当時原田は9歳。

白井がチャンピオンになったときの記憶はないといいます。

その後白井はタイトルを失い、日本人念願のタイトル奪回を8年後に果たしたのが原田です。

やがて原田はバンタム級に階級を上げ、フライ級とあわせて2階級制覇の偉業を成し遂げるのです。

著者はこの本で当時の世界チャンピオンと現在の世界チャンピオンの価値はまったく違うということを何度も主張しておられます。

プロボクシングで最初に設定された階級は8階級です。

そしてボクシング団体は1団体ですから、世界中でボクシングの世界チャンピオンというのは8人しかいなかったわけです。

原田の時代で3階級にジュニアクラスが設定され11階級。

ただしジュニアクラスの評価は一段低かったそうです。

現在はジュニアではなくスーパーと名を変えて本来の正規な階級よりも威厳があるように思われているとも書かれています。

ところで現在(2012年)は17階級あり、しかも主な団体が4つもあるものですから、70人近くもの世界チャンピオンがいるということになるのですね。

それでもたしかに世界チャンピオンになるというのは大変なことでしょうけども、やはり昔のチャンピオンとは値打ちが違うという著者の主張はもっともでしょう。

何階級制覇というのも階級を細かく刻んでいる現在では同じく。

昭和26年に日本に初めてボクシングの世界チャンピオン(ダド・マリノ)が来たときは、銀座から新橋までオープンカーでパレードをし、沿道には何万人もの人々が集まったといいます。

それほどボクシングの世界チャンピオンというのは偉大な存在だったのですね。

そんな流れがある中でのファイティング原田の偉業なわけです。

時代は昭和40年代。

当時の日本人にどれほど夢や希望や自信や活力を与えてくれたことでしょう。

posted by たろちゃん at 03:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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