ローリング・ストーンズの曲をタイトルにした連作短編集。
熊井望(女)は28歳のギタリストです。
まず最初の章では熊井が昔一緒に音楽をやっていて好きだったTTという男のことを想う気持ちが書かれています。
第2章では辰也という男と付き合っている、輸入車の広報の仕事をしている貴子という女の話。
兄嫁の麻子と2人で旅行に行ったりという内容です。
第3章では遠井という男が出てきます。
大学時代に付き合っていた美幸という女から、難病になり入院しているので見舞いに来てほしいとメールがあります。
遠井は美幸と再会します・・・・。
それぞれ別の話なのですが、このあとの章ですべての話がつながっていきます。
地味ではあるのですが毎日の生活を営んでいる登場人物たち。
視点を切り替えることによりその人物を浮き上がらせています。
綿密に上手く構成されているとは思いますが、ただこういう設定って「そうそうみんながあちこちつながってるわけないやろ」と思ってしまったりもするのですが。
それはともかく、この読後感は「ああ、絲山秋子」だなと思います。
雨が上がったあと陽が差してきたような。
ラベル:小説